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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン監督、『スーサイド・スクワッド』新作の脚本を執筆 ― 監督就任を前提に

ジェームズ・ガン
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28557194032/

マーベル・シネマティック・ユニバースの元最重要人物が、マーベル映画からDC映画へと電撃移籍する。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督が、『スーサイド・スクワッド』(2016)新作映画の脚本を執筆していることが明らかになった。報道によれば、ガン監督は同作の監督就任を前提として企画に参加しているという。米The Wrapが独占で報じたのち、複数の大手媒体を含む多くの米国メディアが伝えている。

スーサイド・スクワッド
『スーサイド・スクワッド』ブルーレイ&DVD発売中 SUICIDE SQUAD and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2016 Warner Bros. Entertainment Inc. and Ratpac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved

2018年7月、ガン監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』から、過去の不適切な発言を理由に解雇された。ファンや業界関係者に激震を与えたこの突然の解雇騒動は、再雇用を求める署名活動や、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』出演者による公開書簡発表などの反応を呼んだが、ディズニー/マーベル・スタジオは人事を撤回していない。

そんな中、一部報道ではすでに他の大手スタジオがガン監督の獲得に強い意思を示しているとも伝えられていた。『スーサイド・スクワッド』をはじめとしたDC映画ユニバース作品を製作しているワーナー・ブラザースも、そのうちの一社だとされたのである。そして実際に、ワーナーは『スーサイド・スクワッド』新作映画のためにガン監督との契約交渉に臨んでいたわけだ。

ジェームズ・ガン
ジェームズ・ガン監督 Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28557194032/

『スーサイド・スクワッド』新作映画に関するガン監督の参加状況については、本情報を取り上げているメディアによってやや伝え方が異なっている。「契約交渉中」と報じているメディアもあるが、The Hollywood ReporterDeadline「雇用された」、また米Polygon「ガン監督は脚本を執筆中」だと記しているのだ。ただし各報道を整理するかぎり、脚本についての契約はすでに完了しており、現在は監督就任を前提として執筆作業が進められているものとみられる。

一点、今回の報道で注目しておくべきは、ガン監督による『スーサイド・スクワッド』新作映画が、2016年に製作された『スーサイド・スクワッド』の続編ではない「完全に新しい作品」だと伝えられていることだ。The Hollywood Reporterによれば、同作に出演したウィル・スミスやマーゴット・ロビー、ジャレッド・レトらが続投するのか、あるいはガン監督によって再キャスティングが行われるのかは不明だという。現時点ではDC映画ユニバース初となるリブートの可能性もあれば、ホアキン・フェニックス主演『ジョーカー(邦題未定、原題:Joker)』のように、世界観を共有しない新シリーズでの製作も考えられるだろう。

スーサイド・スクワッド
『スーサイド・スクワッド』ブルーレイ&DVD発売中 SUICIDE SQUAD and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2016 Warner Bros. Entertainment Inc. and Ratpac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved

これまで『スーサイド・スクワッド』続編には、『ザ・コンサルタント』(2016)のギャヴィン・オコナー監督が携わっているとされてきた。しかし今回の報道によると、すでにオコナーは企画を離脱しており、同じくワーナー製作、ベン・アフレック主演の『The Has-Been(原題)』に集中しているとのこと。2018年9月には脚本草稿がスタジオに提出されたことが報じられていたが、短期間で状況が劇的に変化したか、あるいは報道と事実になんらかの齟齬があったとみられる。
米Varietyのジャスティン・クロール記者によれば、オコナーが企画を離脱するに至ったのは、構想したストーリーがハーレイ・クインのスピンオフ映画『バーズ・オブ・プレイ(邦題未定、原題:Birds of Prey)』にこそふさわしいと判断されたこと、スタジオが『スーサイド・スクワッド』続編よりも『バーズ・オブ・プレイ』の製作を優先したことが原因だったという。

なおガン監督の『スーサイド・スクワッド』登板について、前作を手がけたデヴィッド・エアー監督は絶賛の声を送っている。

「スタジオは非常に勇敢、かつスマートな行動を取ったと思います。ジェームズはこの仕事にふさわしい人物です!」

また『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』からガン監督が解雇された際、監督を支持してディズニーに批判的な姿勢を示していたドラックス役のデイヴ・バウティスタは、自身のTwitterに「どこで(出演)契約できるの!」と記して、早くもガン監督の『スーサイド・スクワッド』に出演を希望した。

ジェームズ・ガン監督が脚本を執筆する『スーサイド・スクワッド』新作映画(タイトル未定)の撮影・公開時期は不明
なお『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』はガン監督の脚本が使用される方針で、2018年10月10日現在、監督後任者の検討が進められているとみられる。

Sources: The Wrap, THR, Deadline, Variety, Polygon, IW, io9, Justin Kroll, Dave Bautista
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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