『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』監督、「5年経ってより誇らしく思う」と自信 ─ 神話解体?「究極の意図」をついに語る

『スター・ウォーズ』続3部作の中間作にして賛否が最も極端に分かれた意欲作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、2017年の公開から早5年を迎えようとしている。
『スター・ウォーズ』の伝統を根底から覆したとも言える本作については、公開直後からファンの間で激しい論争が繰り広げられた。そこでしばしば槍玉にあげられるのが、脚本を単独で執筆し、大胆な演出と共に監督したライアン・ジョンソンだ。
監督は『最後のジェダイ』をめぐって、ファンから激しいバッシングにあう機会も決して少なくない。しかし監督にとってはどこ吹く風で、英Empireではこの度「5年が経って、より誇らしく思うようになりました」と、手応えを深めた実感を話した。
監督は『最後のジェダイ』で全力を尽くしたことについて、「バットを振る時は、僕はボールをフルスイングで打つんだ」と例えた。「これは『スター・ウォーズ』映画ではなく、『スター・ウォーズ』についての映画なのだ」と深奥に持ち出しながら、「『スター・ウォーズ』を神話から外してアプローチすることは、誰にも出来なかったと思います。僕たちはその神話と共に育ったし、その神話や物語がいかに僕たちに焼き付けられ、影響を及ぼしたかについて考えずにはいられなかったでしょう」と、従来のスター・ウォーズ観を言い表す。
『最後のジェダイ』は、ファンや批評家の間では『スター・ウォーズ』の神話を解体したとまで言われる。しかし監督は、「究極の意図としては、それを剥ぎ取ってやろうということではありません。その意図とは、神話の基礎や基本に迫ることでした」と説明する。「最終的には、あの映画が僕たちの人生における『スター・ウォーズ』の神話の力を肯定するものであって欲しいと思います」。
『最後のジェダイ』へのファンの意見は様々だが、サーガの希望あふれる主人公であったルーク・スカイウォーカーが心を閉ざして隠遁しており、さらに物語の最後には死んでしまうという展開への苦言も多い。監督は、これについても意図を説明。「あの映画の最後の映像は、ルーク・スカイウォーカーの神話を解体しているわけではありません。むしろ構築しているのであり、彼はそれを受け入れているのです。彼は“過去を捨てよ”という概念に挑み、彼の神話における真に大切なこと、そして次世代を呼び起こすことを受け入れているのです。だから僕にとって、“剥ぎ取る”というプロセスは常に、本当に大切な本質にたどり着くためのものなのです」。
なおライアン・ジョンソン監督は、ルーカスフィルムから新たなる『スター・ウォーズ』映画3部作の監督を任されているという話がある。これは『最後のジェダイ』公開直後に発表されていたものの、これまで具体的な進捗はなかなか聞こえてこず、事実上の棚上げ状態と見られていた。
しかし、この企画はまだ潰えてはいないようだ。「(ルーカスフィルム社長の)キャスリーン・ケネディとは近しい関係ですし、よく会ってそのことを話しています」と監督は明かしている。「単にスケジュールの問題で、いつやるかって状態です。もしこのまま頓挫して、あの砂場に戻れないのだとしたら、僕の心が折れちゃいますよ」。
監督は現在、自身の評判企画『ナイブズ・アウト』シリーズで邁進中。『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』が2022年12月23日にNetflixで配信開始になった後、Netflixとは同シリーズでもう1本の続編の契約を交わしているため、しばらくは『ナイブズ・アウト』浸けになると見られる。
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