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タランティーノ、マーベルを批判「あれは映画スターじゃない」 ─ 『シャン・チー』シム・リウが反論

Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Simu_Liu_%2848469082216%29.jpg

クエンティン・タランティーノ監督が、マーベル映画を大批判だ。これに対し、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)主演のシム・リウが反論する事態となっている。

過去、数々の大御所フィルムメイカーたちがマーベル映画やスーパーヒーロー映画を批判してきた。それらの主張は概ね、業界の資金や注目がマーベル映画に一極化しつつあることを挙げたものだった。この度のタランティーノの批判も、「マーベル映画だけが製作されているように見える」とするもので延長線上にあるが、これに加えて、出演者にも飛び火する発言を見せている。

ポッドキャスト番組にて「近頃は本物の映画スターが少なくなった」との話題に寄った際、「ハリウッドの“マーベル化現象(Marvel-ization)”だ」との表現で皮肉ったタランティーノは「マーベル・キャラクターを演じて有名になった役者がたくさんいる。でも彼らは映画スターじゃないだろう?キャプテン・アメリカがスターで、ソーがスターなだけ」と意見。キャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンスやソー役のクリス・ヘムズワースをはじめ、マーベル映画の出演を足がかりに出世した俳優は数多いが、タランティーノはそれらの功績を否定した形だ。「これを言うのは僕だけじゃないよね。もう何回も言われていることだと思うけど。ああいうシリーズのキャラクターがスターになるってことですよね」と、あくまでもマーベル・ヒーローが有名なだけだと断じた。

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タランティーノは「僕も子どもの頃は、マーベルのコミックを夢中で集めてましたよ」と、本来マーベル・コミックのファンだったことを認め、「確かに、僕が12歳の頃にマーベル映画があったら、超ハッピーで夢中になったと思います。でも、映画ってあれだけじゃない。映画って他にもいろいろあるのに」と、マーベル一極化批判に帰結。「まぁ、僕ももう60歳になりますから、ああいうのには興奮しないんですよ」との私見を述べている。

タランティーノがこれを語る様子は、米Mediaiteにて映像で確認できる。乱暴な悪口に走っているわけではなく、あくまで「(マーベル映画が)嫌いというわけではない」「彼ら(出演者ら)を咎めるつもりはない」「他のものが入る余地がなくなっていることが、僕の問題だ」とタランティーノ節を利かせて嘆いている様子が見られる。しかしながらこの発言はマーベル映画の出演者批判とも取れるものとなり、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は自身のTwitterで反論。タランティーノの名を直接言及したものではないが、本件に対する意見であることは明らかだ。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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