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クエンティン・タランティーノ、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』大評判なら「今回で引退するかも」

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
2488029 - ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD

『レザボア・ドッグス』(1992)『パルプ・フィクション』(1994)『ヘイトフル・エイト』(2015)などで知られる映画監督、クエンティン・タランティーノの引退が近づいている。かねてよりタランティーノは長編映画10作目での監督引退を明言しており、来たる新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は第9作にあたるのだ。残すところ、あと1本である。

しかしながらタランティーノは、この宣言を撤回する可能性もあるという。ただし、10本以上撮る、という話ではない。むしろ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』かぎりで引退するかもしれないというのだ。

GQ Australiaの特集記事に登場したタランティーノは、「劇場公開映画という意味では、終わりに近づいてきたなと思っています」とコメント。引退後の計画については「映画の本を書いたり、戯曲(演劇作品の台本)を書き始めたりすると思います。だから創作は続けますよ」と語っている。「ただ、映画でやらなきゃいけないことは全てやり尽くしたと思っているんです」

新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、タランティーノが幼少期を過ごした1960年代のハリウッドを描く、1969年を舞台とする物語だ。人間として、監督としての自分自身を形成した時代を扱うにあたり、タランティーノは6年以上をかけて、断続的に脚本を執筆してきたという。いわば本作は、タランティーノにとっての集大成なのだ。

「人生をかけてリサーチをしてきました。当時のハリウッドを知るのに人生をまるごと費やしたんです。これまでの56年間、頭の中に詰まっていた全てを、今ようやく扱えるようになりました。」

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

しかし、ならばそんな本作を10本目にしなかったのはどうしてなのか。こう問われたタランティーノは、少し考えてから、こう答えたという。

もしも(『ワンス・アポン~』の)評判がものすごく良かったら、10本目は作らないかもしれませんね。今すぐ終わりにするかも、うまくいっているうちにやめちゃうかもしれません。どうなるでしょうね。」

『イングロリアス・バスターズ』(2009)に続いてタッグを組んだブラッド・ピットは、タランティーノの引退宣言について「ハッタリではないでしょう、本気だと思います」と話した。「(引退は)残念ですけど、彼は、映画監督たちが業界で衰えていく理由を理解しているんですよ」。

現在、タランティーノは『スター・トレック』新作(タイトル未定)の原案を担当しているほか、自身の監督作品『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)の続編企画にも携わっているとみられる。10本目で引退するということは、どちらかが最後の作品になる可能性もあれば、これら2作品を別の監督に託して自身は別のオリジナル企画に着手する可能性もあるということだ。ともかく、すべては『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』次第…なのかもしれない。

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は2019年8月30日(金)全国ロードショー

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト:http://www.onceinhollywood.jp/

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Source: GQ Australia

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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