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「クリス・パインの大ファン」クエンティン・タランティーノ、『スター・トレック』脚本でカーク船長を推していた

クリス・パイン クエンティン・タランティーノ
Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/43043463084/ | THE RIVER | Remixed by THE RIVER

『パルプ・フィクション』(1994)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)などのクエンティン・タランティーノは、ハリウッドきっての“クリス・パイン推し”として知られる。自身が原案を手がけた映画版『スター・トレック』は、パインが演じたジェームズ・T・カーク船長に注目した作品になっていたようだ。

タランティーノの原案に基づいて脚本を執筆したマーク・L・スミスは、英SFX Magazineにて、タランティーノとの共同作業にあたっていたことを明かしている。「SFの脚本は楽しかったし、より大きくて広い世界に寄りかかって書くことができました」とはスミスの談。『スター・トレック』のキャラクターではピカードがお気に入りだというが、タランティーノ版ではカーク役の執筆を楽しんだらしい。

カークはいつでも楽しいんです。タランティーノと一緒にカークをたっぷりと楽しみましたよ。だって、カークといえば(過去に演じた)ウィリアム・シャトナーですから。どの役を誰が演じるのかがはっきりしないので、(シャトナーを)頼りにしたわけです。クリス・パインのカークを見ていても、彼はウィリアム・シャトナー風に演じていますしね。」

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

“パインがカーク役をシャトナー風に演じている”ということは、かつてタランティーノが公に語っていたことだ。タランティーノは「パインはカーク船長役を演じているだけでなく、シャトナーのカークをも演じている。別の誰かではなく、彼はウィリアム・シャトナーだ」力説。その気に入りようといえば、なんと「J・J・エイブラムス版に惹かれるのはクリス・パインが素晴らしいから」とさえ言わしめたほどなのである。

それだけではない。タランティーノはパインの初期作品『アンストッパブル』(2010)をお気に入りの作品に挙げ「この映画が面白い理由のひとつは、僕がクリス・パインの大ファンだから」と宣言。同年代の俳優のなかで「ぶっちぎりで大好き」だと言い、「もし良い役が作れたら一緒に仕事をしたい」と話していたのである。

既報によれば、タランティーノ版『スター・トレック』は「1930年代のギャング映画めいた設定」が舞台で、「宇宙大作戦」シーズン2の人気エピソード『宇宙犯罪シンジケート』を原案としていたとみられる。このエピソードで、カークとスポック、マッコイは、1920年代のシカゴそっくりの惑星に着陸。待ち構えていたギャングたちに銃を突きつけられ、ギャングたちの抗争を仲裁しなければならなくなるのだ。もしもタランティーノが、『スター・トレック』の世界観で敬愛するギャング映画をやろうとしていたのだとしたら、カークの出番は…?

ちなみにパラマウント・ピクチャーズは、映画版『スター・トレック』の新作企画を保留しており、タランティーノ原案版にゴーサインが出るのか、それとも別の企画で再起動が図られるのかは未定。もっともタランティーノは、自身の原案が映画化される場合も監督を務めることはないと述べている

別監督の企画にもブレーキ

Sources: SFX Magazine, Happy Sad Confused, The Ringer, IndieWire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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