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トム・ヒドルストン「東京コミコン2023」で「ロキ」を真に完結させる ─ 「ロキは孤独かもしれない、しかし僕は決して孤独ではなかった」

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

東京コミコン2023」2日目となる12月9日、ステージにはトム・ヒドルストンが登場した。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)「ロキ」などで大人気の“トムヒ”は、幕張メッセの会場を埋め尽くすほどに終結した大勢のファンの前に姿を現した。(写真58枚)

ステージでは「ロキ」シーズン2の特別映像が上映され、ボルテージが最高潮に高まったところで本物の(ヴァリアントではない)トム・ヒドルストンが登場。観客の「トム・ヒドルストーン!」合唱と共にステージに颯爽と姿を現した。

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

東京コミコンには二度目の参加となるお礼を伝えられたヒドルストンは、日本語で「ロキが、ありがとうと、言っています」と応答。ファンを大いに沸かせた。

ファンから寄せられた最初の質問は、「初めてロキの角を被ったときはどんな気持ちでしたか?」というもので、ヒドルストンは「ワオ」と感嘆してから、「一番最初は2009年でした。ずいぶん前ですね。14年前です」と振り返り始める。「凄まじいことでした。なぜなら、コミックの二次元キャラクターに、三次元として命を吹き込むんですから。(角は)王冠のようでしたが、キャラクター意図の表れのようでもありましたね。最初の時はヘルメットのようだったので、耳が覆われて、よく聞こえなくなりました」。

SNSでは、ヒドルストンと写真を撮ったファンがロキのポーズを取っているものが多いということにちなんで、会場のみんなでロキのポーズをやりませんかという司会からの提案。ヒドルストンは「もちろん!」と快く応じて立ち上がり、茶目っ気たっぷりに指をこめかみにあて、ロキポーズを披露。会場のあちこちでは「可愛い!」という声が上がった。

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

ロキの初期の装飾はヘルメットのようだった、という話題に戻ると、「最近のものはどうですか」という質問。ヒドルストンは「今はもっと王冠っぽいです」と説明する。「面白いことに、ロキは王子として生まれ、オーディンからは王子として生まれたのだと言われる。そして『ロキ』シーズン2で、角、王冠は、孤独な王を示すものなのです。彼は“目的”の重大さを知ったということですね。それでいて崇高です」。

ロキはあなたの人生を変えたと思うが、ロキがここまで愛される理由は何か?との問いかけには、「ロキ役を演じたことで、僕の人生は一変しました。個人的にも、僕の人生で最も重要な仕事の一つです」と答えてから、「まず、みなさんがいなければ、僕はここに座っていなかったでしょう。このキャラクターをこんなにも長い間演じていられる理由は、みなさん観客がずっと彼に関心を向け続けてくださったからです」と、何よりもファンへの気持ちを忘れない。

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

「キャラクターとしては神ですが、非常に人間的でもあります」とヒドルストンは、ロキの考察を伝える。「彼は複雑で、いたずら好きで、脆く、チャーミングで、とても多面的です。そんなところが人間的です」。

前回の来日時は2018年で、ちょうどロキが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で命を落とした後だった。そのタイミングでの来日に観客は癒されることとなったが、今年は「ロキ」シーズン2の素晴らしいファイナル後の来日となったことに因み、「最後のシーンではどのようなことを考えていたか」との質問。次のように語り、ここ東京の地で「ロキ」シーズン2を真に完結させた。

「あれは僕にとってとても感動的でした。なぜなら、覚えていると思いますが、ロキの最後のセリフは“ I know what I want, I know what kind of God I need to be, for you, for all of us”でした。覚えていらっしゃいますか。“For you, for all of us”は、『マイティ・ソー』1作目のラストで言うセリフと一緒です。それが、今では別の意味を持つようになったのです。

僕があのラストシーンを演じたとき、僕はこのキャラクターとしての14年間に携わってくれた全ての人たちのことを想っていました。共演者、監督、クルー、全てのプロジェクトで僕にとって非常に重要な存在でした。6〜8ヶ月や、時には1年半を過ごします。みなさんととても意義深い経験をさせていただきました。クリス・ヘムズワース、ケネス・ブラナー、アンソニー・ホプキンス、レネ・ルッソ、そしてアベンジャーズの全員。ロバート・ダウニー、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、ジェレミー・レナー、スカーレット・ヨハンソン。それからオーウェン・ウィルソン、ソフィア・ディ・マルティーノ、ウンミ・モサク、キー・ホイ・クァン、ユージン・コルデロ。『ロキ』の全員。彼らのことを、心の中で、頭の中で想っていました。ここまで僕と一緒にやってきてくれた、全員のことを……。

あれは、旅の終わりでした。ロキは孤独かもしれません。しかし、僕は決して孤独ではありませんでした。」

ロキ シーズン2
© 2023 MARVEL.

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

トム・ヒドルストンでなければ、ロキというキャラクターはここまで続かなかったはずだと言及されると、感激した様子で「嬉しいです」と反応。続いて、ベネディクト・カンバーバッチとの交友についての質問が登場。今回の東京コミコン2023で共に来日したが、何か話すことはできたかと聞かれると、「イエス。ベネディクトと僕は、2010年夏に製作した『戦火の馬』(2011)という映画で初共演したんです。僕たち2人とも騎士のように乗馬を訓練して、何度も落馬しました。その時を通じて、すぐに仲良くなりました。ここでまた会えるなんて嬉しいです。最近は彼が別のプロジェクトで忙しいみたいだったから、しばらく会っていなかった。とにかく近況報告をして、一緒にお昼を食べんたんですよ」。何を食べたのかというと、寿司だそうだ。

「確か2016年にも会ったかな。ベネディクトとは『マイティ・ソ- バトルロイヤル』で、ドクター・ストレンジと会うシーンをやったんです。短いシーンで、ロキが負けるやつでした。30分間落ち続けていました。」

カンバーバッチと食べた寿司は「とてもシンプルなやつで、マグロ、サーモン、ハマチとワサビ」とのこと。「ワサビが好きなんです」。ロキカラーですねと言われると「イエス!ハハハハハ」と楽しそうに笑う。「もしかしたらロキ・フードの変異体かもね」。

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

さらにヒドスルトンからは会場のファンのために大サービスが連発。ロキの好きなセリフは何かと尋ねられると、少し考えた後に次のセリフを生実演した。

  • “I am Loki, of Asgard! and I am burdened of glorious purpose.”
  • それからシーズン1のこのセリフも好きです。シルヴィに“What makes Loki so Loki?”と言われ、ロキが言います。“Independents, Authority, Style!”
  • でも正直、好きなセリフと言えばこれです。僕の好きなのは……、“I know what I want, I know what kind of God I need to be. For you, for all of us.”
  • それから、映画からも好きなセリフがあります。今日お話しした人たちの間でも話題になりました。『マイティ・ソー バトルロイヤル』の最後に、ソーが“If you are here, I might even give you a hug”と言ったときの、ロキのセリフ。“I’m here.”

イベントの最後には、ロキがマルチバースの神となったことにちなんで、ステージに大勢のコスプレイヤーを呼び込んでマルチバースを作り出そうという企画に。マーベル・キャラクターに扮した様々なコスプレイヤーのファンが次々と登場すると、ヒドルストンは楽しそうにファンたちとハイタッチ。賑やかなフォトセッションを終えると「ファンタスティック!」と褒め称え、ファンにこんなメッセージを残した。

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

「今週末は本当にたくさんの人たちとお会いしていますが、みなさんからかけていただく声は全てとても優しくて親切で、とても感動させられています。感謝しています。ありがとうございます。僕たちが作った映画がみなさんのイマジネーションと共鳴するだなんて、とても意義深いです。」

最後に、ステージのスクリーンではこれまでのMCU映画でキャラクターが“Thank you”というシーンを繋ぎ合わせた特別映像が上映され、ヒドルストンと共に視聴。そのままステージ上の大量のファンが作った花道を通って、ヒドルストンは手を振って退場したのだった。

東京コミコン2023 12月9日 トム・ヒドルストン 撮影写真

次のシーンでは、ヒドルストンのステージ上での貴重な姿を美麗フォトでたっぷりお届けする。いろいろな角度から眩しきヒドルストンを眺める。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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