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ノーラン最新作『TENET テネット』7月米公開なるか、ワーナーに決断のリミット迫る ─ 監督はスケジュール厳守の意向

TENET テネット
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クリストファー・ノーラン監督の最新作TENET テネットが完成に近づいている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、アメリカの映画館がほぼ休業状態となり、多くの大作映画が公開延期となった今、2020年7月17日に米国公開予定の本作は“業界再起動”のきっかけと目される一本。しかし本作もまた、予定通り公開できるかどうかの岐路に立っているという。米Varietyが報じた。

2020年5月8日現在、アメリカにおける新型コロナウイルスの感染状況は予断を許す状況にはない。映画館側は夏にも営業を再開したいとの意向だが、実際にそれが叶うのか、そして『TENET テネット』を予定通り公開できるのかは依然としてわからないのだ。そうした情勢ながら、ワーナー・ブラザースは本作のオープニング興行収入は“1億ドルを突破可能”と見込んでいる。逆にいえば、製作費2億ドルを投じた大作映画である以上、明らかにヒットが見込めない場合、直前でも公開延期を決定する可能性はあるわけだ。

Varietyによると、そんな中、ノーランはVFX作業を含むポストプロダクション(撮影後作業)を数週間以内に終える方針。製作チームはリモートワークを余儀なくされているが、あくまでもノーランは当初の計画通りに映画を届けることに全力を注いでいるという。米IMAXのリチャード・ゲルフォントCEOは、自社の決算報告会にて「クリスはこの映画をもって映画館を開きたいと考えている」「映画館の再開と映画の公開に向けて、彼以上に努力している人がいるのかどうかわからない」とまで語った。そもそもノーランは、映画館が休業に入った2020年3月下旬、劇場文化と映画への思いを綴ったエッセイをいち早く寄稿した人物なのだ。

むろん業界には、『TENET テネット』を7月に公開するという計画を「あまりにも楽観的」と見る声もある。アメリカにおける新型コロナウイルスの状況は“収束に向かっている”との判断さえ難しく、ましてやソーシャル・ディスタンスなどの対策を緩和すれば、数ヶ月後の状況は誰にも予測できないのだ。けれどもワーナーは、本作を予定通り公開するか、あるいは延期するかの判断を1週間以内にも下さなければならないともいわれる。7月17日に米国公開するのであれば、封切りに向けてのプロモーションを開始せねばならないからだ。しかし、この状況下で大々的に広報を開始し、数千万ドルの予算をつぎ込むことができるか。そちらに舵を切るならば、ワーナーは大きなリスクを背負って賭けに出ることになる。

『TENET テネット』の翌週には、ディズニーが実写版『ムーラン』を米国公開予定。まもなく、ディズニーも同様の決断を迫られることになるだろう。その後には、再びワーナーの目玉作品『ワンダーウーマン 1984』が8月14日に米国公開予定とあって、同社はこちらについても判断が必要となる。しかし映画館の営業再開後、シアターに観客を呼び戻すのは話題の映画にほかならないはず。問題は時期がいつになるのか、どの作品になるのかということだ。

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Source: Variety

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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