『ザ・コンサルタント2』のアレ、ディズニーに確認取っていなかった ─ 「事前承諾はあえて取らず、とにかく撮影」

ベン・アフレック主演の人気映画『ザ・コンサルタント』(2016)続編『ザ・コンサルタント2』がPrime Videoで配信開始となった。サヴァン症候群によって数字に関する天才的な才能を持つ会計士にして凄腕殺し屋のクリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)の新たなる物語が描かれる本作では、危険な弟ブラクストン(ジョン・バーンサル)と兄弟タッグを組んだ、巨大な悪の陰謀との戦いが展開される。
前作よりもコメディ要素を増した本作。劇中では、トレーラーハウスに暮らすクリスチャンが弟ブラクストンに電話をかけながら、『スター・ウォーズ』ライトセーバーのオモチャを起動して遊ぶ一幕がある。お馴染みの起動音こそ鳴らないものの、クリスチャンは電話をしながらスイッチのオン・オフを連打し、青い光が伸びたり縮んだりを繰り返す。疎遠だった兄弟のぎごちない会話と対をなし、なぜかクリスチャンがライトセーバーのおもちゃで子どものように遊んでいるという、ユーモアあふれる展開となった。
『スター・ウォーズ』はディズニーのプロパティで、同社といえば知的財産の管理には極めて厳格であることで知られる。しかし監督のギャビン・オコナーは、なんと事前にディズニーの許可を取らずに撮影を敢行したという。
「脚本では、クリスがベッドに座ったままブラクストンに電話をすることになったんです。当日の朝、撮影現場に向かいながら、“もっと良くできないか?どうすればキャラクターらしさをもっと表現できるだろうか?”と考えていたんです。僕はいつでも、キャラクターらしさを押し出したいから」と米The Hollywood Reporterに話すオコナー。「現場に着いて、まず最初に小道具の達人J・P・ジョーンズを捕まえて、“ライトセーバーが欲しい。ライトセーバーを持ってきてくれ。そのシーンは後日に延期する”と頼んだんです」。なんと、調達のために撮影を先延ばしにするというこだわりようだ。
もっとも驚くべきは、続く発言。「実は、ディズニーには確認を取っていないんです。許可なしでとりあえず撮影しました。幸運なことに、かなり幸運なことですが、彼らもオッケーしてくれたんです。でも、事前承諾はあえて取りませんでした。とにかく撮影したんです」。
これはある種の裏技かもしれない。というのも、同様に作中にライトセーバーを登場させた『フリーガイ』(2021)でショーン・レヴィ監督と主演・製作ライアン・レイノルズは、同じ系列の会社(『フリーガイ』は20世紀スタジオ作品で、ディズニー傘下)であるにもかかわらず、ディズニーの会長やルーカルフィルム社長に丁寧な申請書を書き、許可を得ていたという裏話があるからだ。『ザ・コンサルタント』はMGM製作で、ディズニーとは全くの別会社である。
ディズニーやルーカスフィルムが寛容な姿勢を示した事例はほかにもある。ライオンズゲートによる2017年の映画『ワンダー 君は太陽』では、主人公の少年オギーが大の『スター・ウォーズ』ファンという設定で、劇中ではライトセーバーのオモチャや、ボバ・フェット、チューバッカ、ダース・シディアスのコスプレ衣装も登場。この作品では、プロデューサーがルーカルフィルムのキャスリーン・ケネディと旧知の仲で、脚本を送ったり電話で確認を取ったりして許可を得ていたという。
『フリーガイ』でも『ワンダー 君は太陽』でも事前に仁義を通して実現させていたわけだが、許可なしで撮影した『ザ・コンサルタント2』の手法には驚きだ。「彼らもオッケーしてくれた」というから、幸いにもトラブルには発展しなかったということだろう。製作陣にフォースのご加護があった。
▼ ライトセーバーの記事
「パドメはジェダイになるべき」ナタリー・ポートマン、ライトセーバー持って『スター・ウォーズ』再演を希望 アニー、ただいま 『マンダロリアン シーズン3』&『スター・ウォーズ:アソーカ』激アツ名場面、解説 ─ スター・ウォーズ熱再燃のスチールブック発売、ボーナス・コンテンツもレビュー PR「セレブレーション」ステッカーも配布 アナキン役ヘイデン・クリステンセン劇中使用ライトセーバーや「マンダロリアン」ペドロ・パスカル着用ヘルメットなど「スター・ウォーズ セレブレーション」で実物展示へ しっかり拝みたい 【ネタバレ】「スケルトン・クルー」第8話、ジュード・ロウはジェダイ?映画シリーズとのつながり解説 フォースおじさんの正体 【ネタバレ】「アコライト」最終話、セリフ原語の解説と『スター・ウォーズ』ファン歓喜のサプライズ ついに完結しました
Source:The Hollywood Reporter