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【解説】『ザ・バットマン』話題の未公開シーンが米公開、衝撃の会話の内容とは

ザ・バットマン
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この記事には、『ザ・バットマン』のネタバレが含まれています。

バットマンとジョーカー、緊張の面会シーン

この未公開シーンは、バットマンが「アーカムの見えざる囚人」ジョーカーを訪ねる場面のものだ。バットマンは、なぜリドラーがゴッサムの汚職者たちを次々に殺しているのか、そして自分宛にメッセージを残しているのかが分からなくなり、リドラーの思考に入り込むプロファイリングを試みることになる。そこでバットマンは凶悪犯が収容されるアーカム・アサイラムに侵入、ジョーカーに面会する。

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囚人服を着たジョーカーは「もうすぐ俺たちの記念日だね」と呟く。マット・リーヴス監督の解説によれば、これはバットマンとジョーカーの過去に何かがあったことの示唆。つまり2人は『ザ・バットマン』以前に対決しており、ジョーカーはバットマンによってアーカム・アサイラム送りにされていたのだ。

バットマンは「連続殺人鬼がいる。お前の考えが知りたい」と頼むが、ジョーカーは「1周年記念なのに、こんな書類かよ。俺はその程度の存在か?」と不満な様子。バットマンから差し出された事件現場の写真を見たジョーカーは不気味に笑い、「まるでパズルだな。バカバカしい。こいつは、人生かけてずっと計画を練っていたんだろうな」とリドラーの心理に迫る。

ジョーカーは「こいつの正体ならわかる」と言う。当然、バットマンが「誰だ」と知りたがったところ、ジョーカーは「誰かになりたい、名もなき存在だ」と答え、「市長に総監か。野望を持ってるな」と犯人を分析。バットマンが「動機は政治的なものか?」と尋ねると、「いやいや、こりゃ個人的な恨みだな。こいつらのことを不正だと思っているんだろう。おそらく過去に何かあったんだろうな」とジワジワ核心に迫っていく。

バットマンが「なぜ俺宛に書き残しを?」と聞くと、ジョーカーは「そりゃ、お前さんのファンなんだろう」と笑う。「それか、お前のことも憎いのかもな。もしかしたら、お前が真のターゲットなのかも。どう考えてる?」。バットマンが「まだわからない」と返すと、ジョーカーは「そうか?お前はいつも頭の回転は速いのに、今回は手こずってるんだなぁ。焦ってるだろ?」と笑う。バットマンがすぐに「話を戻そう」と言うと、「どうして?お前の話の方が楽しい」とジョーカー。「俺の話をしに来たわけじゃない」「じゃぁ、何の話をしに来たんだよ?」「こいつの考えが知りたい」と噛み合わない2人。するとジョーカーは、「奴の考えなら分かってるはずだ。このファイルを読んだんだろう?お前ら、そっくりだぜ。マスクのヒーローさん」と囁く。「だから、こいつの方がよっぽど正義かもな。あいつのせいでヤワに見られちゃ困るってか?」

笑い声を上げるジョーカーを前に、バットマンは「時間の無駄だった」と引き揚げようとする。ジョーカーは去りゆくバットマンを笑い飛ばしながら、「よし、本当のことを教えてやる」と投げる。「俺が思うに……、奴の動機だとか、好かれているかとか、憎まれているかとか、本当はどうだっていいんだろ?お前は心のどこかで、怯えてるんだろう。あいつが本当に間違っているかがわからないからだ。殺された連中は、当然の報いだと思ってるんだろう?当然の報いなんだろう?アハハハハハハ!

マット・リーヴス監督によると、今回のジョーカーのモデルは1928年のサイレント映画『笑ふ男』で、コンラート・ファイトが演じたグウィンプレン。ジョーカーには作品によって様々なオリジンが設定されているが、『ザ・バットマン』のジョーカーは、生まれつきの病で笑いを止めることができない男なのだという。子どもの頃から周囲に気味悪がられて育ったため、「自分の存在はジョークなのだ」と考え、やがてピエロを名乗るようになったそうだ。

気になるのは、ジョーカーの皮膚や頭部がただれていることだ。ジョーカーのオリジンのひとつに「酸のタンクに落下する」というものがあるが、彼の狂気が先天的な病に由来するのなら、これは関係がなさそう。彼の皮膚が激しく傷ついている理由はまだ不明だが、過去のバットマンとの戦いに何か関係があるのかもしれない。

ちなみにジョーカーの台詞からも察することができるように、この未公開シーンはゴッサム市警総監の死が発覚するシーンの後に登場する予定だったという。総監は2人目の被害者だったから、長尺だった『ザ・バットマン』の中で、ジョーカーはかなり早期に登場するはずだったようだ。

新ジョーカーを演じたのはバリー・コーガン。『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(2017)や『ダンケルク』(2017)で注目され、最近ではマーベル・シネマティック・ユニバース『エターナルズ』(2021)で人の心を操ることのできるヒーロー、ドルイグ役を演じて脚光を浴びている。

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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