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『ザ・バットマン』続編に大きな前進、ワーナーと監督が新たな契約を締結 ─ ペンギンのスピンオフドラマも企画進行中

ザ・バットマン
DC LOGO, BATMAN and all related characters and elements TM and © DC.

DCコミックス作品『THE BATMAN―ザ・バットマン―』(2021)の続編映画(タイトル未定)に大きな前進だ。監督・脚本のマット・リーヴスが、ワーナー・ブラザースとの複数年にわたる包括契約を結んだことがわかった。米Deadlineが報じている。

前作『THE BATMAN―ザ・バットマン―』は、リアルなトーンとミステリー調のアプローチで、若きバットマンとゴッサムシティを描いて高い評価を獲得。2022年4月には続編の製作が正式に決まり、主演のロバート・パティンソン、監督・脚本のリーヴスが続投することがわかっていた。

このたび、ワーナー・ブラザースの映画部門「ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・グループ」およびテレビ部門「ワーナー・ブラザース・テレビジョン・グループ」は、リーヴス本人と、リーヴスの製作会社6th & Idaho Motion Picture Companyとの間でファーストルック契約を締結。この契約のもと、ワーナーはリーヴスの脚本家・監督・プロデューサーとしての企画を優先的に受け取ることになる。

『THE BATMAN―ザ・バットマン―』の公開後、リーヴスは自身の構想するユニバースを拡張すべく、複数の映画・テレビ作品を企画してきた。現在は前作の脚本に参加したマットソン・トムリンと続編映画を準備しているほか、コリン・ファレル主演のスピンオフドラマ「ザ・ペンギン(仮題)」も企画の初期段階にあるとのこと。以前報じられたアーカム・アサイラムを描くドラマの話し合いも行われているという。

ワーナーの映画・テレビ作品を統括するワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、2022年8月にDC映画『バットガール(原題)』のお蔵入りを決定。その他の企画も破棄するなどプロジェクトの整理が進められる中、リーヴスは新体制下のワーナーで初めて包括契約を結んだ作り手となった。

契約締結にあたり、リーヴスは「この伝説的なスタジオを自分の居場所にすることが夢でした」とのコメントを発表。映画部門のマイケル・デ・ルカ&パメラ・アブディ会長、テレビ部門のチャニング・ダンジー会長との仕事に期待を込めつつ、「心から情熱を抱ける魅力的なストーリーを実現できることが楽しみでなりません」と記した。

また、デ・ルカ会長は「ワーナーにはいつも“作り手のホームである”という伝統がありました。クリント・イーストウッドがその筆頭ですし、その伝統を続けていきたいと考えています」との声明を発表。アブディ会長も「脚本家・監督にとって活気ある場所だということが健全なスタジオの条件」だと述べた。新経営陣の判断で『バットガール』がお蔵入りとなって以降、ワーナーには“作り手軽視が過ぎるのではないか”との批判が寄せられていたが、二人のコメントはそれに対する間接的な応答だと言えるだろう。

さらにデ・ルカ会長は「マットのような人物がやりたいことはなんでも受け入れたい。『バットマン』ユニバースにせよ別の企画にせよ、彼が進めたいものには投資しますし、彼の関心事はどんなものでも歓迎します」ともコメント。リーヴスが手がけた『猿の惑星』シリーズや『モールス』(2010)なども踏まえ、大きな信頼を寄せていることを明かした。今後は『ハングオーバー』シリーズや『ジョーカー』(2019)のトッド・フィリップス監督と並び、ワーナーの主軸を担うフィルムメーカーとして擁したい構えだ。

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Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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