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【ネタバレ解説】「ザ・ボーイズ」シーズン3第7話ソルジャー・ボーイ&ホームランダーの◯◯関係、役者もビックリ ─ なぜああなったのか?

ザ・ボーイズ シーズン3
©Amazon Studios

この記事には、「ザ・ボーイズ」第7話『過去との対峙』のネタバレが含まれています。

ザ・ボーイズ
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ホームランダーとソルジャー・ボーイ、まさかの親子だった

「ザ・ボーイズ」シーズン第7話『過去との対峙』では、タイトルの通り、登場人物たちが悩ましき過去とのトラウマに直面する姿が描かれた。なかでも一波乱だったのは、ソルジャー・ボーイとホームランダーの関係性を巡るもの。ブッチャー&ヒューイと共にペイバック狩りに出ていたソルジャー・ボーイは、マインドストームから衝撃の事実を聞かされる。なんと彼こそが、ホームランダーの父親だったのだ。

ソルジャー・ボーイを演じたジェンセン・アクレスは、「作品のファンとしてそうなるとは思いませんでした」とアイデアを聞いた時の驚きを語っている。劇中でのソルジャー・ボーイは、“ホームランダー前のホームランダー”と比喩的に紹介されていたが、ジェンセンも同じように「2人の繋がりといったら(ヒーローとして)似た文脈で語られることくらいだと思っていた」という。「まさか、血のつながりがあるなんて。動揺しました」。

劇中でソルジャー・ボーイは、スーパーヒーローを作り出したフォーゲルバウム博士が率いていた遺伝子研究で精子提供を行ったこと、その翌年に男の子が生まれたことをホームランダーに告げた。そして、「もっと早く知っていたら、お前にスポットライトを当てられた。そう望まない父親がいるか?」とも。敵意むき出しだったホームランダーも、素早く事実を悟ったようだった。

ホームランダーとソルジャー・ボーイが親子という設定は、ドラマオリジナルのもの。原作コミックで2人は肉体関係を結んでおり、それは第6話でも実写化されたエピソード「ヒーローガズム」(邦訳版コミック第3巻「ザ・ボーイズ 3」、G-NOVELS出版)で描かれる。原作からの大きな方向転換を決めた意図について、ショーランナーのエリック・クリプキはこう説明している。

「(第6話『ヒーローガズム』について)周りから“なんで彼らはセックスしないんだ”って訊かれまくりました。“まあ観たら分かるよ”って言い続けましたけど。ドラマで描くキャラクターにとって、重要な違いなんです。“そうするのにビビっているんでしょ”って反応もありましたが、全然怖くなかったですと。もしアントニー(ホームランダー役)とジェンセンにラブシーンをお願いしたら、彼らもノリノリで撮影したでしょうね。そこには全く問題はありませんでした。彼らが父と息子であるという物語のポイントが厄介で、だからそうしなかったんです。」

共通テーマは「親子」、最終話に向けて

ザ・ボーイズ シーズン3
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もっとも、この設定は最初から決められていたものではない。アイデアが生まれたのは、クリプキが脚本家たちとシーズン3の開発を進めていた時だった。なかでもブッチャーらボーイズたちの物語を煮詰めていく中で、とある共通点が浮かび上がってきたのだ。

「ソルジャー・ボーイが第一のホームランダーであるということははっきりしていました。そこで、彼がホームランダーの父だというロジックも考えられるわけです。でも、狙いは(視聴者に)テーマの側面に注意を払ってもらうことにありました。この作品は、父親たちが自分たちの子どもにどのようにしてトラウマを譲ってしまいうるのかということを描いています。特に、社会と一致した男性像にならなくてはいけないという、有害で男性支配的な彼らの姿を。こうしたテーマが至るところに浮かんでいて、父親と息子の物語に着地するんです。ヒューイと彼の父親、ブッチャーと彼の父親、ブッチャーと彼の息子、ホームランダーと彼の息子もそう。

(ホームランダーとソルジャー・ボーイが親子という設定は)最初から計画していたものではなかったんです。でも誰かが、“クレイジーな案ですけど……もしそうだったら?”って提案してきて、僕も飛びつきました。キャラクターたちは、親や子育てに問題がある。マザーズ・ミルクもそうですよね。だからホームランダーも彼の父親と向き合わなければいけない。皆、そう感じたんです。」

第7話では、ブッチャーのオリジンストーリーにも迫った。まさに支配的な父親の下で育ったブッチャーは、弟を救えなかったことの負い目を未だに感じており、マインドストームの術中にはまったことで、直視し難い過去と再び対峙した。また、マザーズ・ミルクことMMが父親として悩む姿にもシーズン3ではフォーカスが当てられている。

最終話を迎えるにあたっての焦点は、事実を知ったソルジャー・ボーイとホームランダーが、電話を切った後にどのような関係でいるか。もしも2人がチームアップすることで合意したら、戦いのパワーバランスが一気に崩れることになり、ブッチャーらボーイズに勝ち目はほとんどない。ソルジャー・ボーイ役のジェンセンは、第8話での一筋縄ではいかない展開を予告している。

「あそこで判明したことの気まずさは、第8話でもっと広がっていきます。ソルジャー・ボーイだけでなく、ホームランダーも爆弾級の事実に苦しまなければいけなくなる。ソルジャー・ボーイには難しい選択が迫られます。だって彼はブッチャーに助けるって約束をしたんですからね。でもそれがひっくり返ってしまった。」

「ザ・ボーイズ」シーズン3第8話は、2022年7月8日(金)配信。

Source: Variety

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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