「ザ・ボーイズ」最初は映画として検討されていた ─ ドラマとなった複雑な経緯、セス・ローゲンが説明

今やAmazon Studiosが誇る大人気ドラマシリーズとして知られる「ザ・ボーイズ」(2019-)は当初、映画として製作が検討されていたという。「ザ・ボーイズ」の発掘者とも言える俳優・プロデューサーのセス・ローゲンが、制作スタジオとの間で起きた当時の複雑な経緯を明かしている。
2006年に原作コミックが出版されてから10年後の2016年、現在に至るドラマの製作が発表された。しかし、ドラマで製作を務めるセス・ローゲンが米YouTube番組First We Feastに語ったところによれば、ガース・エニスによるコミックの映像化までには紆余曲折があったようだ。
「僕とエヴァンは、ガース・エニスの大ファンでした。彼は『プリーチャー』を書いた人でもありますけど。(『ザ・ボーイズ』の)第1巻が出た時に、僕たちは“なんじゃこれ、最高の映画になるじゃないか”と思ったんです。なんでもない人がスーパーヒーローと戦うんですから。」
「ザ・ボーイズ」の映画としての可能性を見出したローゲンと彼の長年のビジネスパートナーであるエヴァン・ゴールドバーグは、さっそく米ソニー・ピクチャーズとプロデューサーのニール・H・モリッツ(『ワイルド・スピード』のプロデューサーとして知られ、「ザ・ボーイズ」でも製作を担う)に企画を持ち込んだのだという。ローゲンいわく、スタジオ側も「うん、これは素晴らしい映画になる。権利を買いますね」と好感触を示したのだとか。しかし、ここから、ローゲンたちが想像していたものとは違う方向に話が進んでいってしまう。ローゲンはこう続ける。
「実際に彼らは(権利を)買いました。でも僕たちのことを脚本家として起用しなかった。しかも、(映画ではなく)作品形式も問わずって感じで(笑)。結局、他の人が雇われて企画が進んでいったんですけれど、10年くらいして僕達のもとに話が戻ってきたんです。その間、いろいろと試されてきたんでしょうね。そこで僕たちはドラマとして作ることに切り替えたんです。」
ローゲンらは出版されたての第1巻を読んですぐに行動を起こしたというから、最初に映画として提案されたのは2006年ということになる。もしも企画が紆余曲折せず、最初からローゲンらの手で進められていたら、「ザ・ボーイズ」はもう少し早く世に出ていたかもしれない。
ドラマ「ザ・ボーイズ」が開始した時、スーパーヒーロージャンルはマーベル・スタジオとDCコミックスによる2大巨塔だった。この構図は今も保たれたままだが、「ザ・ボーイズ」の台頭によって少なくともスーパーヒーロー作品への新たな価値観が生み出されたはずだ。「ザ・ボーイズ」は、本来正義の象徴であるはずのスーパーヒーローが実は腐りきったクズだった……というお話。ローゲンが言うように“なんでもない”寄せ集めの人間たちが力だけは最強のヒーローたちに立ち向かっていくのだ。
どうやらローゲンは、そんな「ザ・ボーイズ」についてマーベルやDCコミックスでも太刀打ちできないような自負ポイントがあるという。「彼らには限界がある。もし10インチものチ◯コで誰かを殺せてしまうキャラクターがいたら、彼らのブランドに傷がつくでしょう」。そう、シーズン2で実写初登場を果たし、話題となったラブ・ソーセージのことだ。モラルお構いなしなところが、「ザ・ボーイズ」の強みなのである。
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Source:First We Feast