「ザ・ボーイズ」過激描写、スタジオ側は「一切ダメ出しナシ」 ─ 「自制心を働かせている」と製作者

落ちぶれまくったスーパーヒーローチーム“セブン”を成敗しにかかる自警団“ザ・ボーイズ”の攻防戦を、激しいエロ&グロ描写で贈る人気ドラマ「ザ・ボーイズ」(2019-)。マーベル&DCをパロディにし、スーパーヒーローの概念を根底から覆してしまった本シリーズの舞台裏について、クリエイターのエリック・クリプキが語っている。
ホラーではないのに、そこら辺のスプラッター作品よりも内臓撒き散らし&流血度が激しく、常人のモラル感では受け入れ難いようなシーンが連発する本シリーズは、言わずもがなR-18指定である。とはいえ余りにも度が過ぎると、さすがにスタジオ幹部から圧がかかるのでは……と心配になってしまうが、意外や意外そうではないらしい。
米Comicbook.comのインタビューに応じたクリプキが、いかにスタジオに理解があるかを語っている。
「脚本家は、“(Amazon)Prime Videoは文字通り、一度もNOと言ったことがない“と言っています。しかし、そうは言っても、脚本家たちは自制心を働かせていると思います。信じられないかもしれませんが、その境界線がどこにあるのか本当に悩まされるんです。なぜなら、驚愕させるために常識外れのものから、不要なものや搾取的なもの、安っぽくてショッキングなものへ変えるためだけに一線を超えたくないからです。
どこに境界線を置くべきかについては、信じられないほどの不安や葛藤、推測や疑念があります。というのも、誰も“NO”と言ってくれないから、自分たちで線引きをしなければならないと気づいたからです。そうしたヤバいシーン(bamama moments)を用いるのであれば、その分だけ“キャラクターの物語にはそれが欠かせないんだ”と思えるところまで(2つを)結び付けなければいけないんだということに気づいたんです。そうやって出来たのが最高なものになりがちで、僕たちもこれを目指してます。」
人間の心理としては“ダメ”と言われたら反発したくなり、完全なる自由を与えられたら、逆に自分でブレーキをかけてしまうものなのかもしれない。もし、「ザ・ボーイズ」の脚本チームが自制心を働かせることなく暴走してしまったら、それこそリリース不可能な作品に仕上がってしまうだろう。まさに「ザ・ボーイズ」の製作は、クリエイティブチームに自由裁量を与えるスタジオの信頼があって成り立っていると言えそうだ。
残りのエピソードでさらにエグ&グロ度に拍車がかかりそうな「ザ・ボーイズ」シーズン3は、2022年7月8日にリリースされる最終話まで毎週金曜日に新エピソードが配信中。
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