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『ザ・フラッシュ』は「ヒーロー映画史上最高傑作」と謳うべきではなかった?海外メディアで考察広がる

ザ・フラッシュ
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

こうしたつまずきを受け、海外メディアでは『ザ・フラッシュ』が「スーパーヒーロー映画史上最高傑作」と声高に自称したことの是非が問われ始めている。米The Hollywood Reporterでは、とあるスタジオ幹部の意見として、「なぜザスラフやジェームズ・ガンは、何ヶ月も先の将来の映画や計画がこれだけ素晴らしいものになりますと約束するのか、私には理解ができない」と伝える。「一般の観客はそんな予言を気にしないし、意識もしません。製品(=映画)に語らせるのが良いのです」。

実際に一般の映画ファンは、「スーパーヒーロー映画史上最高傑作」という前評判にさほど左右されなかった。観客満足度調査に基づくCinemaScoreではB評価。Rotten Tomatoesでは、アメリカでは前週に封切られた『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が批評家96%、観客95%であるのに対し、『ザ・フラッシュ』はそれぞれ66%、85%と差がついた(本記事時点)。

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米Varietyでは、「『スーパーヒーロー映画史上最高傑作』と謳っておいて、それが正しくなかった時、自分で自分の首を絞めることになる」との、あるライバル・スタジオの幹部の声が紹介されている。「こういう環境では、“約束は控えめ、結果は大きめ”の戦略を取るべきなんです」。

現在、DCユニバースでは本格的なリセットを目前に、劇場公開作『ブルービートル』(2023年8月US公開)と『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム』(2023年12月US公開)が残っている。『ブルービートル』は新ユニバースにも属するとされており、今後を占う重要な作品となる。

一方、気掛かりなのは『アクアマン』の続編だ。目下、『シャザム!〜神々の怒り〜』も『ザ・フラッシュ』も期待通りの成績を上げられておらず、かつ現行ユニバースが同作で終了となる以上、果たしてどのように世界の観客の関心を集めるのだろう。

『ザ・フラッシュ』に込められていた期待は大きく、興収パフォーマンスは必ずしもそれに応えられていない。一方で、たくさんの見所を持つ、非常に優れた映画体験を提供する作品であるというのも事実だ。映画『ザ・フラッシュ』は公開中。未見の方は、自身で確かめてみて。

Source:Variety,The Hollywood Reporter

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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