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ハリウッド版『呪怨』新作映画、米予告編が公開 ─ オリジナルに敬意払った現代版、ただし「もっとメチャクチャに」

https://www.youtube.com/watch?v=O2NKzO-fxwQ

清水崇監督による日本のホラー映画『呪怨』シリーズを新たにハリウッドで映画化した『The Grudge(原題)』の米国版予告編が公開された。今度のハリウッド版、今までにもまして本気である…!

今回のハリウッド版『呪怨』は、シリーズをリメイク・リブートするものではなく、2004年製作『THE JUON/呪怨』から始まったハリウッド版シリーズを継承する作品となる。直接的な続編でもなく、過去作品で描かれた物語を“やり直す”わけでもない、「新しい『呪怨』」として製作されているという。物語の主人公となるのは、シングルマザーの若い刑事であるマルドゥーン。あるとき彼女は、足を踏み入れた者が非業な死を遂げる、呪われた屋敷の存在を知るのだった。その呪いが自分に向けられた時、マルドゥーンは自分の息子を守り切ることができるのか。

予告編は、不動産屋のピーター・スペンサーが屋敷を訪れるところから始まる。「ピーター・スペンサーです。屋敷の売却の件で参りました。どなたかいらっしゃいますか?」。玄関は開いていて、バスタブには黒く濁った水が溜まっている。ピーターが覗き込むと、突如として腕が飛び出し、ピーターの頭を掴むのだった。ピーターは自身に降りかかった不安について、マルドゥーンに相談する。

「あの屋敷では殺人があったんだ」と中年の男性刑事が語る。「どうしてあの場所を一度も調べなかったんですか?」とマルドゥーンが問いかけると、刑事は「あそこには何かがある、絶対に良くない何かが」。その後、放置された自動車から新たな遺体が発見される。マルドゥーンはピーターに、屋敷を訪れたことを明かすのだった。結果として、マルドゥーンは愛する息子のもとに“何か”を連れて帰ってしまった。息子の部屋には髪の長い女が姿を現し、息子そのものの姿も……。あらゆる怪異が巻き起こり、『呪怨』でおなじみの声が聞こえてくる中、映像はピーターの後頭部から女性の指が出てくる場面で幕を閉じる。

脚本・監督は、村上龍の小説を映画化した『ピアッシング』の新鋭ニコラス・ペッシェが手がけた。監督は以前のインタビューで、「日本版『呪怨』の新しいエピソードだということを意識し、オリジナルのテイストを大切にしています」とコメント。Jホラーへの敬意を払いつつ、三池崇史監督作品『極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU』(2003)にもインスパイアされたと語っている。

ただしペッシェ監督は、かつて「『呪怨』を現代にアップデートしようとしている」とも話していたように、あえてオリジナル版に挑戦しようという志も持ち合わせているようだ。米IndieWireでは「2000年代前半のJホラー以上にメチャクチャですよ」と宣言。恐怖を表現する映像演出にこだわったことを明かしている。

「どのように呪いが広がるのか、ということを鍵の要素としています。ほとんど全編を通じて、呪いはどこでも起こりうるし、実際にどこでも起こる。まるで山火事のように広がっていくんです。だから決まった基準を作ることが大切でした。シリーズ映画なので、すべてを捨ててしまうことはしたくなかったんです。そういう要素を、ファンのみなさんが楽しめるよう、新たな解釈で、新たな文脈でお見せしようとしています。」

プロデュースを務めるのは、『スパイダーマン』3部作でも知られるホラー映画の鬼才サム・ライミ、『呪怨』シリーズのプロデューサーを務め続けている一瀬隆重ほか。

ハリウッド版『呪怨』新作映画『The Grudge(原題)』は2020年1月3日に米国公開予定。

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Source: IndieWire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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