『マーベルズ』2週目の米興収79%の大暴落、マーベル映画人気に異変

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『マーベルズ』は公開2週目の米興行収入が前週比79%の大暴落に見舞われた。MCU史上最悪の下落率となった。
初週末(2023年11月10日〜12日)は4,611万ドルと予想を下回る低調スタート。2週目末(17日〜19日)はさらに勢いを落とし、わずか1,020万ドル(速報値)に終わった。
一般的に週毎の下落率の目安は30%前後とされる。MCUのようなアメコミ作品は、ネタバレを嫌う熱心なファン層がこぞって封切り直後に鑑賞を済ませるため、2週目の下落率が大きくなる傾向がある。それにしても79%は衝撃的な数値として評価される。これまで、『ブラック・ウィドウ』(2021)が67.8%、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)が69.9%をマークしていたが、『マーベルズ』はそれよりも悪い数値となった。
過去の数値から見て、3週目も前週対比50〜60%ほどは落ちるだろう。すると次週末の興収はたった500万ドル前後になると見られる。
『マーベルズ』の製作費は2億7,480万ドルほどとされているが、現時点での世界興収は1億6,132万ドル。赤字終了となる可能性が高い。
「興収成績は私と関係があるものではありません」と、ミズ・マーベル役として主演の一人であるイマン・ヴェラーニは米Yahoo! Entertainmentに話している。「完成した映画には満足していますし、私の大切な人たちはこの映画を楽しんでくれました」と語るヴェラーニは、「自分のコントロールが効かない物事について考えたくはありません」として、興収の悩みはディズニーCEOのボブ・アイガーが向き合うものであると話した。
『マーベルズ』滑り出しの不調は、俳優ストライキによる事前プロモーション不足が原因のひとつとされたが、2週目の大幅な下落率はやや性質が異なる問題となる。「マーベル疲れ」の課題が浮き彫りになった事象であり、2024年唯一のMCU劇場公開作『デッドプール3』ではより強固対策が求められる。
なお、2週目の『マーベルズ』米興収ランキングは3位。1位は『ハンガー・ゲーム0』(製作費1億ドル)で4,400万ドル、2位はCGアニメ映画『トロールズ・バンド・トゥギャザー』(製作費9,500万ドル)で3,060万ドルだった。
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Source:Variety,Yahoo! Entertainment,Box Office Mojo