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クリストファー・ノーラン最新作は『オデュッセイア』映画化、ユニバーサルが正式発表

Elena Ternovaja https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Matt_Damon_at_Berlinale_2024-2.jpg | Georges Biard https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Christopher_Nolan_Cannes_2018.jpg | THE RIVER | Remixed by THE RIVER

クリストファー・ノーラン監督の最新作が、古代ギリシャの同名叙事詩を映画化する『オデュッセイア(原題:The Odyssey)』となることがわかった。ユニバーサル・ピクチャーズが製作を正式に発表した。

原作の『オデュッセイア』は詩人ホメロスによる英雄叙事詩で、トロイア戦争のあと、イタカの王であるオデュッセウスが故郷を目指して危険な旅に出る冒険譚。ゼウスやアテナといった神々、海神ポセイドンやセイレーンなどに出会いながら冒険を続けるオデュッセウスだったが、イタカではすでに死んだと思われており、妃であるペネロペイアのもとにはたくさんの求婚者が押しかけていた……。

ユニバーサル・ピクチャーズによると、本作は「IMAXフィルムの新技術を駆使し、世界中で撮影される神話的アクション大作」。ホメロスによる物語が、史上はじめてIMAXの大スクリーンで映像化される。既報の通り、米国公開日は2026年7月17日だ。

出演者はマット・デイモン、トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ゼンデイヤ、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロン、ロバート・パティンソン。現時点でそれぞれの役柄は明らかになっていない。脚本はノーランが自ら執筆し、プロデューサーはエマ・トーマスが務める。

『オッペンハイマー』(2023)と『プレステージ』(2006)で歴史的題材を取り上げてきたノーランだが、古代ギリシャまで遡るのはかつてなかったこと。『ダークナイト』3部作ではコミックの映画化に挑戦したが、神や怪物といった神話的要素(ファンタジー要素)に正面から取り組むのも初めての試みで、キャリアにおける新境地となることが期待される。

もっとも2019年には、ノーランが『インソムニア』(2002)のあと、ワーナー・ブラザースのもとでトロイア戦争の映画化を構想していたことが明らかになっている。当時まだ大作映画を撮れる手腕が保証されていなかったノーランに代わり、ワーナーはウォルフガング・ペーターゼン監督に『トロイ』(2004)の製作を任せた。そのかわり、『バットマン ビギンズ』(2004)の企画が動きはじめたのである。

製作・配給は『オッペンハイマー』のユニバーサル・ピクチャーズ。2度目のタッグで、過去に実現しなかったプロジェクトへのリベンジに挑む一作という言い方もできそうだ。

なお『オデュッセイア』は、これまでにカーク・ダグラス主演『ユリシーズ』(1954)や、フランシス・フォード・コッポラが製作総指揮を務めた「オデュッセイア/魔の海の大航海」(1997)などで映像化されてきた。コーエン兄弟『オー・ヘンリー!』(2000)や『コールド マウンテン』(2003)も同作を下敷きにしていることで知られる。

映画『オデュッセイア(原題:The Odyssey)』は2026年7月17日に米国公開予定。撮影は2025年初頭に開始される。

Source: Universal Pictures, Deadline, Vanity Fair

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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