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『ソー:ラブ&サンダー』神殺しのゴア、『ダークナイト』ジョーカーの影響は ─ クリスチャン・ベール本人が回答

ソー:ラブ&サンダー
©Marvel Studios 2022

クリスチャン・ベール、10年ぶりにアメコミ映画に帰還。

クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』3部作でバットマン役を演じたベールが『ソー:ラブ&サンダー』で演じるのは、ソーの前に立ちはだかる“神殺し”のゴア役だ。その演技たるや、監督のタイカ・ワイティティが得意とするユーモアを食い破る恐ろしさで、『ダークナイト』(2008)でジョーカーを演じたヒース・レジャーを思わせるという声も上がったほどである。

実際のところ、ベールはゴア役を演じるにあたり、かつて自らが対峙したジョーカーを参考にしたのだろうか? 米Comicbook.comの取材では、「あなたとヒースの演技を比較している人もいます」というインタビュアーの言葉に、ベールは「それは本当にうれしい」と回答。ゴア役の影響を受けたところを率直に明かした。

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「(ゴア役には)いろんなところからインスピレーションを得ていますから、みなさんが気づかないところもあると思います。直接参考にしたのは、『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)とエイフェックス・ツインの“Come to Duddy”のミュージックビデオ。僕もタイカもあれが大好きなんです。」

『吸血鬼ノスフェラトゥ』といえば、ドイツにて製作された吸血鬼を題材とする初期の映画で、のちのモンスター映画にも大きな影響を与えた一作。かたやエイフェックス・ツインの“Come to Duddy”は1997年にリリースされた楽曲で、そのMVでは、ひとりの老婆が不気味なマスクを付けた子どもたちの集団に追い回され、そしてその最後には……。

MVを見てみると、ベールとタイカ・ワイティティがこの映像を大いに参考にしたことがわかるというもの。監督を務めたのは、ビョークやマドンナのMVも手がけたクリス・カニンガム。『エイリアン』シリーズの特殊効果やデザイン、『A.I.』(2001)の特殊効果にも参加している人物だ。

もっともベールは、ヒース演じるジョーカーを参考にしていたかどうかは明言を避け、肯定も否定もしなかった。一方で「本当にうれしい」と喜びの声を漏らしたところには、直接的な影響の有無にかかわらず、ヒースへの敬意が感じられる。

ところで、ベールが指摘しているのはソーとゴアの共通点。「ふたりは自分の痛みにそれぞれのやり方で向き合っていて、そこに最高のユーモアが入ってくるのがタイカの面白いところ。痛みや愛、喪失などにどう向き合うかという誠実さに触れているんです」とは本人の談だ。

映画『ソー:ラブ&サンダー』は2022年7月8日(金)に日米同時公開

Source: Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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