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『ソー:ラブ&サンダー』あらすじ解説 ─ 悪役はクリスチャン・ベール、ヴァルキリーは「王」に

ソー:ラブ&サンダー
©Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『ソー:ラブ&サンダー』の日米同時公開(2022年7月8日)が決定し、初の特報映像が届けけられた。本国ではあらすじ文も公開され、米ディズニーの公式サイトに掲載されている。

特報映像にはない情報も含められたこのあらすじ文を日本語訳しよう。

「今作では、かつてない旅に出るソー(クリス・ヘムズワース)が描かれる。内なる平和を求める冒険だ。しかし、彼の隠遁生活は、神々の殲滅を求めるゴア・ザ・ゴッド・ブッチャー(クリスチャン・ベール)という銀河の殺人鬼によって妨害されてしまう。この脅威に立ち向かうため、ソーはキング・ヴァルキリー(テッサ・トンプソン)、コーグ(タイカ・ワイティティ)、そして、まさかソーきたかと驚くべきことに、魔法のハンマー・ムジョルニアを振るう元カノのジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)たちの力を借りる。彼らは、ゴッド・ブッチャーの復讐の謎を明かし、手遅れになる前に彼を止めるべく、恐るべき銀河の冒険に乗り出す。」

それでは、このあらすじ文をほぐしていこう。まずソーは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の後、穏やかな生活を求めてヒーローを引退するということだ。これは予告編映像でもその姿が描かれていたものである。

ソーは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)ワカンダ戦でサノスを後一手のところまで追い詰めたにもかかわらず、倒し損ねたことであの恐ろしき「指パッチン」を招いてしまう。これに重大な責任を感じたソーは極度のストレスを感じたはずで、その反動が現れたように『エンドゲーム』では引きこもり生活がたたって激太りしていた。この当時から弱気な性格になっていたソーだが、母親や仲間たちの存在のおかげでサノス軍との最終決戦では力を振り絞った。

『ソー:ラブ&サンダー』では、サノスも倒して、ソーは平穏無事な生活を送ろうとしているようである。もともと、番外編の短編「Team Thor」でも一般人の家で悠々自適の居候生活を送っていたソー。銀河の命運がかかった戦いを終えて、のんびり過ごしたいと願っているはずだ。

しかしそこに現れるのが今作のヴィラン、ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーということである。“神の虐殺者”の異名を持つこのヴィランは、2012年より刊行されたコミック「Thor: God of Thunder」にて、過去・現在・未来と時空を超えて神々の虐殺をもくろんだキャラクターだ。今作ではソーたちの命を狙うことだろう。演じるのはクリスチャン・ベール。かつてDC映画『ダークナイト』トリロジーでバットマンを演じた名優が、今度はMCUでヴィランとして大暴れする。

テッサ・トンプソンが演じるヴァルキリーは“キング”の称号が与えられている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』ラストでは、ソーから「君は根っからのリーダーだ」として国王に任命されていた。映像では「ニュー・アスガルド」で会議に出席するスーツ姿のヴァルキリーが見られる。少し退屈しているのか、あるいは苛立っているようにも見られるが、かつて飲んだくれだったヴァルキリーが王の座をいかに務めるかに注目だ。

そして映像内で最大のサプライズとなったのが、ナタリー・ポートマン演じるジェーン・フォスターがムジョルニアを握っていることだ。コミックでジェーンは女性版ソーとなっており、映画では彼女こそが「マイティ・ソー」だと説明されている(今作の邦題で、初めて“マイティ”が取り外された一因かもしれない)。ちなみにコミックでジェーンは、乳がんの闘病のかたわらでヒーローとして戦うというストーリーもある

ここで注目しておきたいのが、前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)でヘラに粉砕されたはずのムジョルニアが修復されているということ。ムジョルニアを失ったソーは新武器ストームブレイカーを鋳造し、『エンドゲーム』では過去の時間軸からムジョルニアを持ち出していたが、果たしてどのような力でオリジナルのムジョルニアを修復したのだろう。そして、ジェーン・フォスターはいかにして“マイティ・ソー”になるのだろうか。

また、映像では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のピーター・クイル(クリス・プラット)、ドラックス(デイヴ・バウティスタ)、ネビュラ(カレン・ギラン)、マンティス(ポム・クレメンティエフ)、ロケット(ブラッドリー・クーパー)、グルート(ヴィン・ディーゼル)の姿があったが、あらすじでは紹介されていない。映像を見る限り、ソーはガーディアンズの戦いに参加する気になれずにその場を去る姿もあるから、劇中では彼らとはあまり行動を共にしない可能性もあるだろう。

ちなみに、前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』の脱力キャラだったコーグが、主要キャラに格上げされているっぽいところも注目だ。コーグ役は、監督のタイカ・ワイティティ自身がお茶目に演じている。

『ソー:ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)』は、2022年7月8日に日米同時公開公開。この夏は、ラブでサンダーだぜ!

Source:The Walt Disney Company

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。