『マイティ・ソー』監督、ムジョルニアは発音しにくいので「ウル」と呼ばないかと提案するも「ファンが怒るよ」と却下されていた

雷神ソーには戦う上で欠かせないものがある。手を掲げればすぐに飛んできてくれる破壊力抜群のハンマー、ムジョルニアだ。『マイティ・ソー』(2011)に始まるソーの物語で重要な役割を果たし、愛着を感じてきたファンもいるだろうが、実は全く違う名前になっていたかもしれないという。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の製作秘話が綴られた新書『MCU: The Reign of Marvel Studios』を紹介した米Vanity Fairの記事では、『マイティ・ソー』製作時の裏話が明かされている。メガホンを取ったケネス・ブラナーは、脚本家たちとの会議に参加した際、とある提案をしたという。脚本を務めたザック・ステンツは当時をこう振り返る。
「脚本家会議で鮮明に覚えているのは、ブラナーがムジョルニアという名前を気に入っていなかったことです。発音が難しかったので。彼は我々に、“このハンマーをムジョルニアと本当に呼ばなければいけないのでしょうか?”と尋ねてきました。“ウルという金属で作られているのだから、ウルと呼んではいけないのでしょうか?そしたら、ファンは怒ってしまいますか?”と。」
ムジョルニアは、古ノルド語で「Mjölnir」と記される北欧神話の雷神トールのウォーハンマー“ミョルニル”から来ている。マーベルコミックでは、「ウル(Uru)」という特殊金属で出来ているという設定が加えられた。
呼びにくさから「ウル」呼びを提案したブラナーだが、その場にいたマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギに断られてしまったという。「ケヴィンは半笑いで、“ケン、それはファンも怒ってしまいますよ”と言いました」とステンツは語っている。「これにブラナーは、“了解です。それでは無理ですね”と返していました」。
ファンの気持ちを代弁したケヴィン・ファイギは、映画業界入りする前からマーベルについて百科事典並みの知識を持っていたことで有名。これがきっかけとなり、『X-メン』(2000)のアソシエイト・プロデューサーに抜擢された。MCU第1作『アイアンマン』(2008)からフランチャイズを牽引しており、今ではマーベル映画史において欠かせない人物となっている。
なお『マイティ・ソー』劇中では、ジェーン・フォスターの友人ダーシー・ルイスが「ムジョルニア」という単語を聞き取れず「ムニョムニョ」と発音する。
▼MCU の記事
マーベル映画は「批評家ではなく、ファンのためのもの」 ─ ワンダ役エリザベス・オルセン、スーパーヒーロー疲れは「あるのかも」 再演には変わらぬ意欲 『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』隠しキャラの名をうっかり言いかけた?ガンビット役の発言に注目 ブレイド登場の「50倍ヤバ位」 『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』撮影現場から謎写真また公開 ─ 「目を凝らして」 なん……ですの? 【ネタバレ】「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2、あの退場キャラに「悪いお知らせ」 ─ 別コメントと矛盾も? 「心苦しいのですが」 エリザベス・オルセン、「マーベル・ゾンビーズ」何も覚えていない ─ 「数年前に自宅で録ったから、ほんとごめんなさい」 仕方ないね
Source: Vanity Fair