古びた絵画の世界が『スター・ウォーズ』の色を帯びる!ガラクタと化した芸術を大衆文化で彩った魅惑のスリフト・アート

ニューヨークを拠点に活動しているアーティストのデイヴ・ポロット(Dave Pollot)さん、彼の作品が今注目を集めている。彼は自らの作品をスリフト・アート(Thrift Art)と呼び、自らをスリフト・アーティスト(Thrift Artist)と称している。

この「スリフト(thrift)」という言葉は、日本ではあまり馴染みが薄いかもしれないが、意味としては「倹約」とか「節約」という意味を表すものである。

アメリカにはスリフト・ショップ(Thrift Stores)というものが存在する。 これは何かといえば、古着や家具や家電、あるいは古道具などを人々からの寄付によって集めて再販売している小売店のことで、その収益は慈善活動や寄付にあてるという形態をとっている。

「ふ〜ん、日本にもあるリサイクルショップってことだね。」と思うかもしれないが、ちょっと違うものである。根本的に違うところは、売られている商品が「買取」された物ではなく、すべて「寄付」された物だということである。その為、基本的には値段が破格の安さとなっているのも特徴のひとつである。そして、ショップは主に慈善団体などによって運営されているため、スタッフもボランティアであることが多い。

一方、このスリフト・ショップでは寄付する側にもメリットがあり、寄付した物の金額を自己申告すると、レシートが貰える。そのレシートを税務申告の際に提出すると、寄付した金額分の税控除が受けられるという仕組みになっている。アメリカではスリフト・ショップに限らず、寄付した分の税控除が受けられ、寄付することで恩恵が得られるという仕組みが成り立っているのである。

スリフト・アートとは

さてでは、スリフト・アートとはなんぞやということであるが、このデイヴさんは、そういったスリフト・ショップや、まあ普通の古着屋やガレージ・セールなども活用しているようだが、そこで破格の値段で売られている誰かに手放された、あるいは放棄された芸術作品(絵画)を探してきて、そこに大衆文化の色や香りを添えるとことによって、作品に新しい命を与えるというアートを生み出している。

実際に見ていただくとわかりやすいので、彼の作品を幾つかご紹介しよう。

まずはこちら、比較的わかりやすい作品を見てみると、任天堂の大人気ゲーム『スーパーマリオカート』(Super Mario Kart)。非常に色鮮やかで、心躍る作品である。

Super Mario Kart

https://www.facebook.com/davepollotart/

このようにして、かつて誰かが描いたであろう、放棄された名も無き、そして何の変哲もない風景画のような絵画をガラクタの中から探し出してきて、その絵画をベースとして上から新たな絵を描き込み、新しい作品に仕上げているのである。つまりベースはもともと描かれてあるわけなので、ずいぶんと絵の具を倹約した作品としての意味もあるだろうし、出処であるスリフト・ショップにもかけているのかもしれない。

そして彼の作品の多くは、例えば映画だったり、ゲームだったり、漫画だったりといった、みんなの大好きな大衆文化に彩られている。

続いては以下、『スター・ウォーズ』をコンセプトにした作品群である。

Star Wars

https://www.facebook.com/davepollotart/

Star Wars

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Star Wars

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Star Wars

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海辺の町を闊歩するAT-ATや、馬車とともに駆け抜けるスピーダー・バイクなどは実に奇妙ながら、長い時間見とれてしまう。

他にも映画作品をコンセプトにしたものは多く、特に80年代あたりのホラー映画が好みのようである。

ウェス・クレイヴンの『エルム街の悪夢』(A Nightmare on Elm Street)、何かしっとりとした夜の時間の中に潜む緊張感。これは悪夢の中なのだろうかと思わせる。きちんと「エルム街(ELM ST)」に描きなおされている。

A Nightmare on Elm Street

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トム・ホランドの『チャイルド・プレイ』(Child’s Play)、完全に最初からこういう絵画だったような雰囲気で恐ろしい。皆さんもお気付きのように、この後、この老人と犬はチャッキーに殺される。はじめに犬が首を切られて、それを見つけて驚いている老人のアキレス腱が、ナイフで切り刻まれるという筋書きな予感である。

Child's Play

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ジョン・カーペンターの『ハロウィン』(Halloween)、ぼく個人的には一番のお気に入り作品である。これそのままで映画のポスターにしてもいいくらいである。カッコよすぎる。

Halloween

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こういった具合にデイヴさんは、ガラクタ同然に打ち捨てられてしまった寂しい絵画たちを、ポップに素敵なアート作品として蘇らせている。

彼のオフィシャルなウェブサイト、およびFacebookなどには、これ以外にも山ほどの作品が展示してあるので、興味のある方はぜひ訪れてみて頂きたい。さらには、この作品たちは一点ものとして販売もされている!部屋の片隅の壁に、こんな絵画が掛けてあったらどんなにか素晴らしいだろうと思う。欲しい方はぜひ購入を検討されることをオススメする。以下にリンクを記すので、詳細はそちらで。

オフィシャル・サイト:http://www.davepollot.com/

Facebook:https://www.facebook.com/davepollotart/

「簡単でしょ?」

最後に、彼が絵を描くにあたって大いに影響を受けたであろうあの人物をコンセプトにした作品を取り上げておく。

Bob Ross

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『ボブの絵画教室』でお馴染み、ボブ・ロスである。

1983年から1994年にかけてアメリカのPBSテレビで放送されたテレビ番組、『ボブの絵画教室』(The Joy of Painting)は一時日本でも放送されていて、ぼくも齧りつくように観ていたのをよく覚えている。あの「ボブ・ロス画法」の虜になった人は、実に多いと思う。

デイヴさんの絵を見ていたら、ボブ・ロスも思い出したし、ぼくもスリフト・アートを真似してみたくなったよ。

About the author

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.

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