『サンダーボルツ*』、ドラマ「ホークアイ」につながる怒りの削除シーンがあった

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『サンダーボルツ*』で主役の一人となるエレーナは、これでMCU作品へ通算3度目の登場となる。エレーナは『ブラック・ウィドウ』(2021)でナターシャ・ロマノフの妹分として初登場した後、ドラマシリーズ「ホークアイ」(2021)ではホークアイ/クリント・バートンを付け狙った。
実は『サンダーボルツ*』では、「ホークアイ」の物語と繋がるエレーナの登場シーンが用意されていたが、脚本の段階で除外されていたようだ。脚本家のエリック・ピアソンが米The Hollywood Reporterに明かしている。
『ブラック・ウィドウ』のおまけシーンにて、姉であるナターシャ・ロマノフの死の原因はホークアイ/クリント・バートンにあるとヴァレンティーナに唆されたエレーナ。「ホークアイ」ではその復讐のためにクリントに迫ることとなる。
彼女と対峙したクリントは、ナターシャを殺したのは自分ではなく、自らの意志で犠牲になったとの真実を伝える。ナターシャがいつも妹のことを想っていたと伝えられると、エレーナは涙ながらに真実を受け入れて立ち去る。
『サンダーボルツ*』脚本の初期ドラフトでは、ヴァレンティーナに嘘をつかれていたエレーナが、激昂して彼女に詰め寄る展開があったという。この場面がお気に入りだったと語る脚本家エリック・ピアソンよれば、ここでエレーナは怒り心頭で登場するのだが、ヴァレンティーナが逆ギレしてこう言い返す。「ハメたですって?つまり、できなかった仕事に金を払ったってわけ?私はガセネタを摑まされたの。あなたに火をつけちゃって悪いけど。でも、これがあなたの仕事。質問するのはあなたの仕事じゃない」。

この場面では、エレーナが不本意ながらヴァレンティーナの言いなりとなっていることを物語っている。ピアソンによれば、ここからエレーナが仕事に不満を持っており、より建設的なものへの変化を望んでいると訴えるやり取りに発展したという。
「ホークアイ」の展開と繋がる意義深いシーンとなりそうだが、最終的に除外された理由について、ピアソンは「『サンダーボルツ*』の物語と全く関係がないから」と説明。確かに、「ホークアイ」未見の観客はやや置いてけぼりを喰らう場面だ。エレーナがヴァレンティーナとの仕事に不満を抱いていることは、本編では別の形で描かれている。
『サンダーボルツ*』は大ヒット上映中。
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Source:The Hollywood Reporter