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米ディズニー、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』上映に厳しい条件提示 ─ 小規模の劇場を締め出しか

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

2017年12月のスター・ウォーズ/最後のジェダイは、2017年の劇場公開作の中で最後の、そして最大のドル箱作品だ。しかしアメリカの一部劇場は、莫大な利益をもたらすこの超大作を上映できない可能性が高まっている。

The Wall Street Journalが報じた所によると、米ディズニーは全米すべての劇場に対し『最後のジェダイ』上映について”史上最も厄介な”条件を突きつけているのだという。その条件とは、チケットの販売収益から、ディズニーが実に65%も受け取るというもの。慣例では55%程度で、65%のレベニューシェアは前代未聞。またディズニーは、『最後のジェダイ』を各劇場最大のシアターで最低4週間の上映も強制しているという。

割を食らうのは郊外の小規模な劇場だ。1つまたは2つのシアターしか持たない劇場のオーナーにとって、自分の劇場内で最大のシアターにて4週間も『最後のジェダイ』だけを上映し続けるのはリスクが大きい。地元の顧客が鑑賞を終えてもなお、別の作品に切り替えられないからである。さらに悪い事に、もしもこの条件が守れない場合、ディズニーはペナルティとして65%のレベニューを70%に跳ね上げるという。報道によれば、この条件は『最後のジェダイ』の全米興行収入が5億ドルをクリアしてからのみ効力を持つということだが、『フォースの覚醒』(2015)が9億ドル、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)が5億ドルの米国内興収をあげていることから、やはりこの条件が発令される可能性の方が高そうだと言える。

ここまで不利な条件をかろうじて飲み込めるのは、大手シネコンのみとなる。残酷なまでの合理主義者ディズニーは、顧客が『最後のジェダイ』を小さなスクリーンで鑑賞することを避けるため、小規模な劇場を合法的に締め出したかったのだろう。

『スター・ウォーズ』の上映条件をめぐって特別な条件が定められるのは今回が初めてではない。ルーカスフィルムは2002年の『クローンの攻撃』の際にもDLPによるデジタル上映以外を認めないと強いたことがあったが、DLPの普及が進まず撤回されている。またシリーズ第一作目『新たなる希望』の1977年当時も、無名の『スター・ウォーズ』のヒットを予想だにしていなかった20世紀フォックスが別の映画『真夜中の向こう側』との抱合せ上映を条件としていた。(当初は『真夜中の向こう側』を上映するためには『スター・ウォーズ』も上映せよ、という条件だったが、ひとたび『スター・ウォーズ』が大ヒットを記録すると、今後は『真夜中の向こう側』も上映せよ、と条件を逆転させている。)

なお、大手シネコンのリーガル・エンターテインメント社CEO、エイミー・マイルズ氏はアナリストに対し、この件の影響へは無関心の口ぶりで「12月15日が楽しみです」と、『最後のジェダイ』への期待を語っている。

この度報じられた条件とは米国内におけるもの。現時点で日本への影響はわからない。

[お詫びと訂正]

記事初出時、『フォースの覚醒』と『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の米国内興収額について誤りがございました。謹んでお詫び申し上げます。

Source:https://www.wsj.com/articles/disney-lays-down-the-law-for-theaters-on-star-wars-the-last-jedi-1509528603
http://www.hollywoodreporter.com/news/theater-stocks-tumble-report-disney-will-take-big-slice-last-jedi-ticket-sales-1053971
https://screenrant.com/star-wars-last-jedi-disney-theaters-ticket-sales/

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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