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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』監督、過激な批判は「地獄だった」 ― 当時の心境吐露、鋼の意志を強調

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

映画スター・ウォーズ/最後のジェダイは、劇場公開されるやいなや、全世界で賛否を真っ二つに分けた作品だった。文字通り生まれ変わったかのような『スター・ウォーズ』に熱狂する者もいれば、『スター・ウォーズ』を完全に破壊したとして激怒し、シリーズの正史から外すよう訴える者まで現れたのだ。

そうした動きの中、世界中のファンから絶賛と批判を一手に集めたのが脚本・監督を務めたライアン・ジョンソンだった。Twitterを観客とのコミュニケーション・ツールとして活用している彼のもとには、人々からの忌憚なき…いや、忌憚のなさすぎる意見が次々と届いたという。米/Filmのポッドキャストにて、監督自身が公開当時を振り返った。

ライアン・ジョンソン
Photo by Gage Skidmore ( https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/6855052782/ )

ヘイト・ツイートは「地獄だった」

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開された2017年12月15日(米国時間)、ライアン監督は各地の映画館で舞台挨拶に立っていた。事の発端は、舞台挨拶の1回目と2回目の間、待ち時間に起こったという。時間潰しをしていた監督のスマートフォンに、数件のヘイト・ツイートが届き始めたのだそうだ。舞台挨拶の開始を待ちながら、彼は「地獄のような時間」を過ごしたという。

「キツかったのは、こうしたツイートをどう捉えていいのかわからなかったことです。どれだけの人々がツイートを送ってきていて、具体的に何に怒っているのかが僕にはわからなくて。それから数週間が経って、やっと状況が理解できて、気分も少し良くなりました。でも当時は、“ウソだろ、みんなこの映画が嫌いなの? 僕が完全に失敗したってこと? 間違ってたのかな”って思っていて。精神的に、本当に落ち込みました……。」

本作の公開直後、ライアン監督は「ファンがネガティブな反応を示したりTwitterで攻撃してきても、僕個人に向けられたものではないと思うようにしています。それでいいんです」と述べていた
とはいえ、当時の精神状態は並々ならぬものだったのだろう。手元に届くツイートの多くが「すごくポジティブだった」、また批判についても「ありがたかった」と前置きした上で、監督はこのように付け加えてもいるのである。

「5%の人々に“お前がスター・ウォーズを台無しにした。死んでくれ”って言われてる時でさえ、僕たちはその言葉を聞くつもりです。でも、これは……つらかったですね。」

鋼の意志

ライアン監督は、インディーズ映画を出発点に、決して豊富ではないフィルモグラフィを経て、自身初の大作映画として『スター・ウォーズ』に抜擢された。しかも彼は、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルと一時は衝突することさえして、その作家性を完全に貫いてみせたのである。むろん、そんな“鋼の意志”を持つ男がヘイト・ツイートごときで折れるわけがなかった。

僕が読んだり見たりした中で、“ああ、僕が間違っていた。もしも時間を戻せるなら、別のことをやったのに”と思えたものはなかったですね。今でも、僕は自分の決断を、すべて心から信じていますよ。」

本作の製作プロセスや決断の理由、そのひとつひとつに、ライアン監督は強い自信を抱いているようだ。本作へ向けられた批判が今後の作風や作品にどんな影響を与えるのか、その結果は、彼が指揮を執る『スター・ウォーズ』の次なる3部作で確かめることにしよう。ところで監督は、『最後のジェダイ』への批判を受けて、新たな3部作へのアプローチを変えたりするつもりなのだろうか……?

「いや、変えないと思いますよ。どんなアプローチになるのか僕もわかりませんし。僕には、僕なりの物語の描き方がある。ただ、それをやるだけです。」

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。
筆者としては、本作が賛否両論であることを前向きに捉えた上で、建設的、生産的な批判が行われることを望むばかりである。

Sources: http://www.slashfilm.com/rian-johnson-last-jedi-backlash/
https://www.stitcher.com/podcast/the-filmcast/e/53020204
©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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