『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ポー・ダメロンが担うもの ― オスカー・アイザック、レジスタンスの英雄になる

映画『スター・ウォーズフォースの覚醒』(2015)に登場したポー・ダメロンは、レイア・オーガナ将軍率いるレジスタンスのパイロットだ。抜群の腕前と勇猛果敢な気質を兼ね備えた彼は、いつも戦場の最前線で、銀河帝国の残党から結成されたファースト・オーダーと対決することになる。

『スター・ウォーズ』新3部作に登場した新キャラクターのうち、おそらくポーは多くの観客から最も遠いところにいる人物だろう。旧反乱同盟軍の兵士を両親に持つ“サラブレッド”であり、熱い信念と知性を併せ持ち、戦いにおいてはその技術を存分に発揮する。
いわばレジスタンスのヒーローたるポーは、これから自身の役目をどのように果たしていくことになるのだろう。そして最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で、彼はどんな役割を担うことになるのか……。これまでの足取りと、今後を占う証言の数々から紐解いていきたい。

新共和国軍のパイロット、レジスタンスへ


スクリーンには『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でしか登場していないポーには、小説やコミックという形でその前日譚が濃厚に描かれている。
小説『STAR WARS フォースの覚醒前夜 ~ポー・レイ・フィン~』(講談社刊)に収録されているのは、ポーがまだ新共和国軍のパイロットだった時代のエピソードだ。ある時、任務中にファースト・オーダーの脅威を目の当たりにしたポーは、敵への対策を適切に講じない新共和国への不信を募らせ、仲間を率いて半ば暴走を見せることになる。あわやという危険を潜り抜けたポーは、その勇ましさと腕前をレイアに見出されてレジスタンスへの引き抜きを受けるのだ。新共和国の中にファースト・オーダーへと通じている者が少なからず存在すると悟ったポーは、レイアのいう“希望”である、姿を消したルーク・スカイウォーカーの居場所を求めることになる。
またコミック『スター・ウォーズ:ポー・ダメロン ブラックスコードロン』(ヴィレッジブックス刊)は、『フォースの覚醒前夜』から直接つながる物語である。ルークの居場所を知っていると思しきロア・サン・テッカという男を捜して、ポーは各地を飛び回ることになるのだ。しかしその過程で、彼は再びファースト・オーダーの強敵や、彼らとつながりを持つ内部者の存在に気づかされて……(コミック『スター・ウォーズ:ポー・ダメロン』は米国で刊行が継続されており、2017年10月現在、日本語で読める物語は全体の序盤にすぎない)。

そしてスクリーンへの初登場となった『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、まさしくポーのシーンから幕を開ける物語だ。ロア・サン・テッカの暮らしている惑星ジャクーを訪れた彼は、ついにルークの居場所を示す地図を入手して相棒のBB-8に収めることに成功する。しかしその直後、彼らはファースト・オーダーの襲撃を受けるのだった。ロア・サン・テッカは殺され、地図を守るべくBB-8を逃がしたポーはカイロ・レンの捕虜となり、拷問の末に地図をBB-8が持っていると明かしてしまう。
しかしファースト・オーダーの中にはFN-2187というストーム・トルーパーの反逆者がいた。ポーはファースト・オーダーの戦闘機であるTIEファイターを奪って彼とともに敵の手から逃れようとするも、攻撃を受けて惑星ジャクーに墜落。「フィン」と名付けたFN-2187と離れ離れになってしまった。
その後、レジスタンスの基地に帰還していたポーは、のちに惑星タコダナでの戦いを経てフィンやBB-8との再会を果たす。ファースト・オーダーの新兵器「スターキラー基地」への先制攻撃を画策していたレジスタンスは、カイロ・レンに捕らわれたレイを救いたいフィンの知識を得てついに作戦を決行した。ポーは戦場の最前線を飛び、見事にスターキラー基地を崩壊へと導くことに成功する。こうしてルークの居場所をついに突き止めたレジスタンスは、その惑星アク=トゥーへ向かうレイを見送るのだった。

『最後のジェダイ』でポー・ダメロンが担うもの

『フォースの覚醒』でその実力を観客に示したポーは、『最後のジェダイ』でファースト・オーダーとの戦闘をさらに重ねていくことになりそうだ。予告編では相棒BB-8との再タッグが確認できるが、前作でコンビとしての相性の良さを見せたフィンとの再タッグはあるのだろうか? 新たに登場するレジスタンスのメカニックであるローズ・ティコや、その姉にしてパイロットのページ・ティコとの関係性も気になるばかりだ。

もっとも『最後のジェダイ』でポーに最も大きな影響を与えることになりそうなのは、小説『フォースの覚醒前夜』から彼を導いてきたレイア・オーガナである。演じるキャリー・フィッシャーの急逝によって、シリーズにレイアが登場するのは本作が最後になるわけだが、そこで二人はどんな信頼関係を結び、ポーは何を託されることになるのだろうか。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』レイア・オーガナ、有終の美へ ― キャリー・フィッシャーが魅せた、自立したヒロインの姿

米エンターテインメント・ウィークリー誌の特集記事で、ポーを演じるオスカー・アイザックはレイアとの関係性をこう語っている

「あらゆる意味でポーはレイアの息子代わりです。でもレイアはポーの中に、レジスタンスの真に優れたリーダー、そしてそれ以上の可能性も見ているんだと思います。」

またアイザックは、『最後のジェダイ』のポーについて「勇敢な戦士からベテランのリーダーへと進化すること」「ひたすら戦闘に勝つのを目的とするところから、銀河の未来を大きく描けるようになること」が重要なのだと述べている。ポーの愛機であるXウィング「ブラック・ワン」も前作以上の機能で登場するとあって、その活躍ぶりには今から期待が高まるばかりだ。

オスカー・アイザック、最新作は「インディペンデント映画のよう」

オスカー・アイザック

Photo by Gage Skidmore ( https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/19492056478 )

ポー・ダメロン役を演じるオスカー・アイザックのフィルモグラフィにおいて、『スター・ウォーズ』は異彩を放っている
リドリー・スコット監督作品『ロビン・フッド』(2010)、ザック・スナイダー監督作品『エンジェル・ウォーズ』(2011)、ニコラス・ウィンディング・レフン監督作品『ドライヴ』(2011)。コーエン兄弟が手がけた『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)で主演を務めた際には、ゴールデングローブ賞をはじめとした各映画賞でその演技を高く評価された。『フォースの覚醒』の直前には、日本でも映画ファンの注目を集めた作品『エクス・マキナ』(2015)でも存在感を発揮しているのだ。

そんなオスカーは、2016年に『最後のジェダイ』について、意外にも「いろんな意味でインディペンデント映画を作っているよう」だと語っていた。「自分たちがやることに親近感を得られるんですよ。特別なことです」述べて、撮影を楽しんでいることを強調したのである。
その言葉の真意をつかめるのはもう少し先になりそうだが、彼の言葉には、自身がインディペンデント映画で経験を積んできたがゆえの実感がこもっていることだろう。充実したキャリアで培われた演技は、勇敢な姿ばかりが強調されてもおかしくないレジスタンスの英雄に、きっと人間としての複雑さと深みを与えているに違いない。

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国ロードショー

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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