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【解説】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』本予告の音楽は新曲?それとも……

https://youtu.be/Q0CbN8sfihY

2017年10月10日、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の本予告が公開された。多くの場面が新規映像によって構成された今回の予告編には、新事実や小ネタ(イースターエッグ)、そして想像を十分に膨らましうる謎の数々がたくさん映し出されている。

そんな中で聴こえてくるジョン・ウィリアムズによる音楽は、どこか不穏で、しかし勇ましくも響いて、登場人物が迎えるであろう数々の展開を示唆している。ジョン・ウィリアムズが『スター・ウォーズ』の音楽を手がけるのは前作『フォースの覚醒』(2015)以来とあって、その仕事ぶりを楽しみにしているファンも多いことだろう。
では、今回使用されている音楽は『最後のジェダイ』のために新たに書き下ろされたものなのか、それとも……。米ScreenRantによる解説をもとにしながら、ひとつひとつを確かめていこう。

“The Jedi Steps”、“Rey’s Theme”

『最後のジェダイ』の新予告編は、「いかにも『スター・ウォーズ』、いかにもジョン・ウィリアムズ」といった雰囲気のハープの音色に始まり、かすかな旋律とピアノ、カイロ・レンの姿とスノークのモノローグによって幕を開ける。

ルーカスフィルムのロゴが登場した後に聴こえてくるのは、かの有名な“The Imperial March”を思わせるようなサウンド、そして『フォースの覚醒』に使用されていた楽曲“The Jedi Steps”のメロディだ。
“The Jedi Steps”はDisneyMusicVEVOの公式YouTubeチャンネルにて配信されているので、43秒目くらいに特に注意しながら聴いてみてほしい。

しかし注目すべきは、同じ“The Jedi Steps”でも、こちらは明らかにダークなトーンへとアレンジが振り切れていることだろう。
映像の後半では“Rey’s Theme”メロディも挿入され、ポー・ダメロンのセリフやフィン対キャプテン・ファズマの対決でやや前向きな盛り上がりを見せてはいるものの、ルーク・スカイウォーカーやスノークの迫力もあろう、単純に明るいままの印象では終わっていない。

そして予告編のラストで聴こえるのは、『エピソード4/新たなる希望』(1977)のサウンドトラックより“The Force Theme”のアレンジだ。シリーズのファンにはあまりにもおなじみのフレーズだが、レイとカイロ・レンの対面ではかつてないほど繊細に聞こえ、そしてタイトルではかつてないほど重いイメージで映像を締めくくっている。

映像と音楽がほとんど完全に同期させられているあたり、予告編で使用されている音楽は、本編のためにジョン・ウィリアムズが製作した音楽を編集したものだろう。しかも予告編を牽引しているのは、いずれも『フォースの覚醒』に登場していたテーマやモチーフの変奏となっている。
登場人物のテーマやモチーフを重要視し、その反復によって効果やイメージを増幅させていくという手法は、古くからジョン・ウィリアムズ(とあまたの映画監督たち)が用いてきたものだ。本作『最後のジェダイ』でもその方法は活かされるだろうし、また“『スター・ウォーズ』といえばこの音楽”といったファンの期待に応える選曲もなされているに違いない。予告編の一部には馴染みのないフレーズも聴かれるが、その部分は『最後のジェダイ』のオリジナル・サウンドトラックを楽しみにしよう。

ともあれ音楽の面で気になるのは、未だ予告編に顔を見せない新キャラクターにどのようなテーマが与えられるのか、という点でもある。劇場公開された暁には、ぜひ本編を音響的にもすぐれた環境で観ておきたいところだ

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国ロードショー。オリジナル・サウンドトラックも同日より発売されるという。

Sources: http://screenrant.com/star-wars-last-jedi-trailer-john-williams-new-score/
http://www.jedinews.co.uk/film-music-tv/articles/last-jedi-soundtrack-released-december-15th/

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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