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トム・ハンクス、デジタル若返りに好意的「私が明日死んでも、演技は続けられる」 ─ 新作映画で初挑戦

トム・ハンクス
Photo by Dick Thomas Johnson https://www.flickr.com/photos/31029865@N06/29830327845/

近年、映画製作で話題に昇ることの多い”デジタル若返り”。『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)『グリーンマイル』(1999)などの名作で知られるトム・ハンクスは、この技術について、年を重ねても、また自分がこの世を去った後でさえも演技を続けられるものだと好意的な姿勢を示している。

ハンクスは『フォレスト・ガンプ』のロバート・ゼメキス監督、共演のロビン・ライトと再タッグを組む『Here(原題)』で初のデジタル若返りに挑む。2人はデジタルによる“ディエイジング”技術を施し、若返った姿で登場する予定なのだ。

英国のポッドキャスト番組「The Adam Buxton Podcast」にて、ハンクスは「自分のデータを大量にコンピュータに取り込んだ初めての映画は『ポーラー・エクスプレス』(2004)でした」と明かしている。同じくゼメキス監督が手がけ、クリスマスムービーの名作としても知られる同作は、俳優の動きや表情をモーションキャプチャで記録したデータをもとにアニメーションを作成。公開当時、フルCGアニメーションの技術力にも評価が集まった。以来、日進月歩で発展するテクノロジーについて、ハンクスはこのように語っている。

「AIやディープフェイクにより、今や誰もが、年齢を問わず自分自身を再現することができます。もし明日バスに轢かれてしまったら、私はそこでおしまいですが、演技はいつまでも続けられる。AIやディープフェイクの理解の範疇を超えて、“これは私じゃない”とか言うつもりはありません。ある程度まで実物そっくりのクオリティになっています。実に芸術的な試練ですが、正当なものでもあるのです。」

“デジタル若返り”といえば、2023年6月30日(金)公開の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では、現在80歳のハリソン・フォードがオリジナル3部作当時の姿に若返ることが明らかになっている。また、巨匠マーティン・スコセッシ監督『アイリッシュマン』(2019)ではロバート・デ・ニーロやアル・パチーノらが、若かりし頃の姿から幅広い年代までを演じ分けるにあたって最新技術が採用された。

そのほか、マーベル・シネマティック・ユニバース映画『キャプテン・マーベル』(2019)ではニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンが25歳の若返りを果たし、アン・リー監督『ジェミニマン』(2019)ではウィル・スミス演じる暗殺者が若い自分自身のクローンと戦った。今日の“デジタル若返り”は、SFからヒューマンドラマまで、あらゆる作品の可能性を広げている。

ハンクスは「私の顔や声、そして他の誰もが知的財産になっている現状の法的な影響について、全ての組合や代理店、企業は議論している最中です」と語った。映画のポテンシャルを広げるものとして、一方では知的財産という法的な側面も含めて、“デジタル若返り”はより重要なキーワードとなっていくのかもしれない。

Source: The Adam Buxton Podcast

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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