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『トップガン マーヴェリック』ハングマンはマーヴェリックとアイスマンのような存在 ─ 初期案では「海軍のドラコ・マルフォイ」だった?

(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

この記事には、『トップガン マーヴェリック』のネタバレが含まれています。

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マーヴェリックの救世主、ハングマンになるまで

36年ぶりとなる続編『トップガン マーヴェリック』では、マーヴェリックが今度は教官として、トップガンのパイロットたちを導いていく。絶対不可能な極秘任務に挑むトップガンパイロットのひとりであるハングマンは、物語の重要な鍵を握るルースターのライバルにして、マーヴェリックに認められるほどの腕前の持ち主だ。

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誰よりも空の過酷さを知るマーヴェリックから、飛行の厳しさを指導され、また過酷な訓練に励むハングマンらパイロットたち。しかし作戦決行の日、ハングマンは任務の隊員として名前を呼ばれることはなかった。編隊長として自らも飛ぶことになった教官のマーヴェリックは、ルースターを代わりに選出したのだ。敵地である険しい渓谷を掻い潜りながら、任務を遂行していくマーヴェリックやルースターたちだったが、最後に危機的状況に追い込まれていく。

マーヴェリックとルースターは敵地から奪った古い戦闘機で帰還する途中、敵機から狙いを定められたしまう。しかし、マーヴェリックらが乗る戦闘機にはもう弾が残されていない。絶体絶命の瞬間、そこにハングマンが現れ、その敵機を撃ち落としたのだ。「もう誰も死なせたくない」と決意していたマーヴェリックのミッションは、ハングマンによって死守されただけでなく、マーヴェリック本人も命を救われたのである。そんなヒーロー、ハングマンの勇敢な行動に多くの観客が心を鷲掴みにされたに違いない。

“マーヴェリックを救った男”を演じた俳優として、今後語り継がれていくであろうグレン・パウエル。米The Hollywood Reporterにてパウエルは、「僕が俳優になるきっかけとなった象徴的な登場人物を救うことができるなんて、信じがたい話です」と、マーヴェリックの命の恩人となったことへの想いを明かしている。パウエルは過去にも、“ベスト・オブ・ベスト”のハリウッドスターであるトム・クルーズについて、「僕が俳優を志した理由となったひとりです。『トップガン』をきっかけにパイロットになった方がたくさんいれば、このトム・クルーズをきっかけに俳優になった方も多くいるんです」と語っていた

しかし、そんなトムからの熱い助言を受けるまで、パウエルはハングマン役を辞退しようとしていた。それというのもパウエルは当初、ハングマンではなくルースター役を希望していたのだ。メインキャラクターではないハングマン役を引き受けることは、キャリアを後退させると考えたのである。このたびのインタビューにてパウエルは、メインキャラクターではないという理由とは別に、ハングマンが“救世主”となるような描かれ方は当初なされていなかったと説明している。

オリジナルの脚本のままでは、ハングマンをすばらしいパイロットとは思えなかったですし、それほど深く関わった人物であるとも考えられなかったんです。彼には何の救いもありませんでしたから。彼はただ夕日の中に消えていくようなものでした。任務に参加もできず、それに対して酷いリアクションをとり、それっきり音沙汰なしみたいな。だから、“興奮できないし、面白くない”と思っていたんです。生意気で、威張りくさっていて、自分が一番だと堂々と思っている男を演じることには同意しますが、ある時点では彼がひとりの人間であることを描かなければなりません。」

ハングマンというキャラクターに魅力を感じられなかったというが、プロデューサーのジョーことジェリー・ブラッカイマー、共同脚本家のクリストファー・マッカリー、そしてトムから直接電話をもらい、パウエルの中で徐々に同役への想いに変化が訪れていったようだ。

「ジョーから電話をもらい、“昨晩、『トップガン』のオリジナル版をみんなで観ていたんだけど、トムとマッカリーに何か考えがあるみたいだから、ふたりが君に電話するよ”と言われたんです。それで実際に電話がありまして、こう伝えられたんです。“オリジナル版を観た後、無愛想で生意気な戦闘機パイロットであることの調子や精神性において、1作目を思い出せる登場人物がいないことに気付いたんだ。(ハングマンは)マーヴェリックのように飛び、アイスマンのように威勢がよくなければならない。マーベリックにかつての自分を思い出させるような人物が必要なんだ。1作目は青春映画。ただ今回の映画は、自分の年齢と向き合う男の映画なんだ。映画の最後には、悪を倒すだけでは物足りないと信じている”と。」

そこでハングマンがマーヴェリックたちの救世主となる展開を提案され、「これで歯車が噛み合ったんです。“ドラコ・マルフォイが海軍にいるみたいなとは違う。ハングマンは本当にやりたいこと、言いたいことがある男なんだ”と思うようになったわけです」とパウエル。言わずもがなドラコ・マルフォイとは、『ハリー・ポッター』シリーズでおなじみのキャラクターのことで、ハリー・ポッターとはライバル関係となった人物である。こうしてパウエルは、ハングマンこと“マーヴェリックの救世主”を演じることになったのであった。

『トップガン マーヴェリック』は公開中。

※記事内に一部誤りがございました。お詫びして訂正いたします。

Source:The Hollywood Reporter

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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