なぜトランプはコロナ対策に失敗したのか? 極秘撮影のドキュメンタリー映画、米予告編が公開

2020年9月、アメリカにおける新型コロナウイルス感染症による死者は20万人を超えた。世界最多の感染者数・死者数が続くなか、10月3日には、ドナルド・トランプ米大統領のコロナ感染が明らかになっている。
なぜトランプは、アメリカはコロナ対策に失敗したのか? 5ヶ月間にわたって極秘撮影されたドキュメンタリー映画、『Totally Under Control(原題)』の米国版予告編が公開された。
『ストーリー・オブ・ウィキリークス〜正義と犯罪の狭間』(2013)『ランス・アームストロング ツール・ド・フランス7冠の真実』(2013)、ドラマ「倒壊する巨塔 アルカイダと「9.11」への道」(2018)などのドキュメンタリー作家、アレックス・ギブニーが手がけた本作は、科学者や医療従事者、政府高官に取材し、無数の証言とデータから、なぜトランプがコロナ禍に対応できなかったのかを暴き出す。
予告編は「ワシントンでコロナ感染者が確認されましたが、何かコメントはありますか?」との問いかけに「ありません。大丈夫だろう」と答える様子をはじめ、コロナ禍に対する、トランプのポジティブな発言がいくつも収められている。しかしカメラ前に現れる専門家たちは、アメリカ政府の無策ぶりをストレートに語っていく。
「われわれ科学者はパンデミックにどう対応すべきかを理解していたし、計画もありました。しかし、リーダーがやろうとしなかった。今こそ、キャリアを危険にさらし、抵抗する時なのです。」
インタビューでは「政治家たちが避けられたはずの死や破壊を招いたのです。科学者は毎日警告していたのに、政府は何もしなかった」とのコメントも飛び出す一方で、トランプは「いつか奇跡みたいにウイルスは消える」「すばらしい、天国からの贈り物だ」と発言。専門家は「完全なるデタラメだ。自分の言っている意味がわかっていない」と述べる。
予告編には「嘘」「秘密」「陰謀」「欺瞞」「否定」「隠蔽」の言葉が並ぶ。トランプがTwitterで他者を攻撃し、メディアをフェイクニュース呼ばわりするさまだ。ある専門家は「報復されるのが怖かった。そんな中でも国内の死者は増えていった」という。かたやトランプは、記者からの「責任は取られますか?」という質問に「取りません」と応答。「やっと真実が明らかになる」という証言のあと、映像は「完全にアンダーコントロールだ」というトランプの言葉で締めくくられている。
ドキュメンタリー映画『Totally Under Control(原題)』は2020年10月13日に米国配信開始。
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Source: IndieWire