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『スター・ウォーズ エピソード9』前監督コリン・トレボロウ、降板から得た教訓 ─ 「僕は今まで幸運だった」

コリン・トレボロウ
Photo by Red Carpet Report on Mingle Media TV https://www.flickr.com/photos/minglemediatv/23481531320/ Remixed by THE RIVER

『スター・ウォーズ』スカイウォーカー・サーガの完結編となった『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)もとい『スター・ウォーズ エピソード9』では、もともとJ・J・エイブラムスではなく『ジュラシック・ワールド』(2015)のコリン・トレボロウが脚本・監督を務める予定だった。ところが、トレボロウは2017年9月に企画を降板。ルーカスフィルムが脚本に納得しなかったとも、実力を疑問視したともいわれているが、真相は定かでない。

ともあれ、映画の公開から7ヶ月以上が経った今、トレボロウは『エピソード9』降板事件を振り返っている。オンライン版コミコン「Comic-Con@Home」にて、ロバート・ロドリゲス監督から「撮影は近かったんですか?」と尋ねられたトレボロウは、「企画の開発段階。アートや脚本を作っている途中でした」と一言。道半ばで去ることになった経験から得た教訓を明かしている。

あの出来事から僕が学んだことは、今まで監督してきた映画で、僕はとても幸運だったんだということ。つまり、自分が進みたがっていた道と、関わっている全員が進みたいと思っていた道が同じだったんです。森の中で、2人の人間がまったく別の進み方を見つけることは十分ありえますよね。

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あの経験は…みなさん想像できると思いますが、自分が何かをとても気にかけて、そこに力を注いでいると、それがトラウマになることはありうる、ということです。だけど、それは誰もが受け入れていることですよね。映画の仕事を引き受けて、しかもそれが物語を描く役割ならば、つらい出来事はあります。すごく落ち込むこともあるし、それから逆転することもある。うまくいけば、最後には釣り合いが取れるんですよ。」

ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長も、2019年12月には、トレボロウとは“道が違った”のだと強調していた。ケネディによると、トレボロウは『フォースの覚醒』(2015)に参加しておらず、初期構想にも関わっていなかったがために「不利だった」。それゆえトレボロウのアイデアは「私たちがやりたいことだ、とは思えないものだった」というのだ。内容の真偽は定かではないが、却下されたアイデアはオンラインに流出。のちにトレボロウは、副題がリークされた通り『Duel of the Fates』だったことを認めている

ちなみに降板後の2018年5月、トレボロウは『スター・ウォーズ』降板の理由は「あまりお話ししたくない」と述べていた。『スター・ウォーズ』シリーズは単なる映画ではない、しかし「どうやって作られているかを語るほど、ただの映画であることが明らかになってしまう」からと。当時のコメント通り、今回もトレボロウは具体的な内情を明かしていない。それどころか、途中こそ「トラウマ」という言葉を使ってはいるものの、製作中に作った新タイ・ファイターの模型を片手に「素晴らしい思い出」と笑顔を浮かべてさえいるのだ。

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Source: Comic-Con@Home, Cinema Blend

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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