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「今も夜中に目が覚め、なぜ『ブレードランナー 2049』をやったのかと独り言をいう」とヴィルヌーヴ監督が告白

ブレードランナー 2049
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リドリー・スコットによるSF映画の金字塔にして、神格化に近い形で崇められる映画『ブレードランナー』(1982)。その続編として製作された2017年の映画『ブレードランナー 2049』について、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は今なお恐れ多い気持ちに圧倒されるのだという。

フィリップ・K・ディックの傑作SF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作に、リドリー・スコットがその哲学を映像化したオリジナル版。サイバーパンク・ジャンルの先駆けとして後進に多大な影響を及ぼし、物語の解釈をめぐっては終わることのない議論も続く、まさに文化的な一作である。

その続編を描くという野心的な試みに挑戦したのは、最新作『デューン 砂の惑星 PART2』が大ヒットのドゥニ・ヴィルヌーヴだ。米The Hollywood Reporterに対し、「『ブレードランナー』は大好きな映画で、間違いなく傑作です。リドリー・スコットは大好きなフィルムメーカー」と尊敬の念を語り、「たとえ彼が祝福してくれたとしても、当時彼がこの映画にオーケーを出し、彼の目で見てもらうことは、僕にとって非常に重要なことでした」と、オリジナルの主スコットの加護を受けて製作したことを振り返っている。

「しかし僕は、『ブレードランナー 2049』制作の過程において、オリジナル版へ幾度となく思いを寄せました。そうしないことは不可能でした」と続けるヴィルヌーヴ。『ブレードランナー 2049』は「1作目へのラブレター」であると同時に、「現在に至るまでの僕の企画の中で、最も難しいものでした」とも吐露。この作品をきっかけに、「もう他の人のユニバースには関わらないようにしよう、そう思い至りました」と告白している。

「今でも時々、はたと夜中に目を覚まし、“なぜ自分はあれをやったんだ”と独り言をいいます。」

当時、すでに『ボーダーライン』(2015)や『メッセージ』(2016)といった作品で新たなハードボイルドやSFの名手として讃えられていたヴィルヌーヴ。『ブレードランナー 2049』規模の作品オファーは他にもあったが、全て断っていたのだという。「当時は自分自身にこう言い聞かせていました。“とんでもない企画だが、全てを失うリスクを冒す価値はある”と」。

『ブレードランナー 2049』を評価する声は多く、ヴィルヌーヴならではの力強いビジュアルは、オリジナル版の魂を継承するものとなっている。一方で、リドリー・スコットは本作について「自分で撮るべきだった」との発言も行なっている

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Source:The Hollywood Reporter

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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