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「ワンダヴィジョン」幸せなシットコムも「永遠には続かない」 ─ ヴィジョン役ポール・ベタニー、不穏な未来を示唆

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初のドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」が、2021年1月15日(金)より配信開始となった。本作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)後を描く物語ながら、“MCU初のシットコム”として早くから話題。その触れ込みに違わず、第1話・第2話はまさしく「MCU版シットコム」ともいうべき仕上がりとなっていた。

もっとも、ヴィジョン役のポール・ベタニーは、すでに「そのままが永遠に続くわけではありません」と発言。米The Hollywood Reporterでは、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフとヴィジョンの幸せな新婚生活に漂う“不穏さ”が示唆されている。そもそも『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)をもって、二人は壮絶な別離を経験したのではなかったか。

「もしもそのままの形で(シットコムが)続いたら、すごくつまらない番組になってしまうでしょう。シットコムとしてこの物語を描くことが、単なる気まぐれでも、また気の利いた判断でもないことに気付かされるはずです。こういうシットコムの楽しさは、解決できないような問題も、夫婦が力を合わせればあっさりと解決できるところ。ただし、残念ながら現実はそうはいかない。そのままが永遠に続くわけではないんです。」

ポール演じるヴィジョンは、視聴者と同じ目線に立って「ワンダヴィジョン」の謎に接近していくことになる。しかしポール自身は、早くからシリーズの方向性を知らされており、ともに物語を練り上げていった。「いつヴィジョンが混乱し、この町で起きていることの調査を始めるのかを提案しました。週ごとに10年飛ぶような、とてもおかしな場所なんですよ」。

むろん本作はMCU作品である、ただシットコムがずっと続くことを想像していたファンは少ないことだろう。スカーレット・ウィッチのルーツが描かれるといわれているほか、モニカ・ランボー役のテヨナ・パリスは「この作品は徹底的なアクション・ムービー」とも述べていたのだ。さらに『ドクター・ストレンジ』続編にも直結することも判明済みなのだから、果たして謎のベールに包まれた最深部には一体なにが眠っているというのか。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、「ワンダヴィジョン」を従来の取り組みの「過激版」と米Deadlineにて形容する。いわく、「『アイアンマン』が成功してから、第二次世界大戦の映画を作り、北欧の神でエイリアン映画を作り、チームアップ映画を作りました。常に成功や信用を求め、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『ブラックパンサー』『キャプテン・マーベル』へと発展させるのに活かしてきたわけです」。

すなわち、本作もそうしたMCU作品の系譜にはぴたりと一致するわけだ。「ワンダヴィジョン」について、ファイギ社長は「混乱させたり、風変わりにしたり、アバンギャルドにしたりしながら、エピソードごとにパズルのピースがつながっていきます」と予告する。「私たちの大きな挑戦は常に報われてきましたし、必ずしも同じことを繰り返すわけではありません。エリザベス・オルセンとポール・ベタニーには絶大なる信頼を置いていて、彼らなら成功させられると思いました」。

ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」は配信中。

Sources: The Hollywood Reporter, Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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