「ワンダヴィジョン」ワンダの東欧ルーツに迫る、コミック2作を原案に ─ 『アベンジャーズ』過去と未来を繋ぐ新機軸

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェイズ4を切り拓く一作であり、Disney+での配信展開の始まりともなる「ワンダヴィジョン」は、MCUの過去にも深いつながりを持つ作品だ。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)後のワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチとヴィジョンを描く物語は、ワンダのルーツにも改めて迫るものになるという。
米Emmy Magazineにて、ワンダ役のエリザベス・オルセンは、本作を「私が大好きなコミックのワンダを、もともと彼女に惹かれた部分をすばらしい形で掘り下げる」シリーズだと強調している。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、エリザベスに「ワンダヴィジョン」出演を打診する際、こんなアイデアを口にしたというのだ。
「ケヴィンに言われたのは、ふたつのコミック・シリーズをお手本として融合させたいということ。ワンダがいかにして東ヨーロッパの国で生まれ、テレビのような、アメリカ製の“闇のシロモノ”によって育ってきたのかを描くと説明されました。」
エリザベスによるこのコメントは、いくつもの可能性を示唆するものだ。ワンダは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)で描かれたソコヴィアの出身という設定のため、「東ヨーロッパの国」とはおそらくソコヴィアを指すものとみられる。長らく謎に包まれてきたワンダのルーツが紐解かれるのだとしたら、兄のクイックシルバー/ピエトロ・マキシモフとの関係性に改めて言及されることも考えられる。
また、これまで「ワンダヴィジョン」との原案とされてきたのは『ヴィジョン』(ヴィレッジブックス)だったが、どうやらファイギ社長は別のコミックからもインスピレーションを得ている模様。以前、エリザべスは「コミックに登場するスカーレット・ウィッチとして、初めて彼女を知ることができる」「コミックの彼女はメンタルヘルスの象徴だし、マーベルの世界でそういう問題に向き合うことが彼女の大きな役割」だと述べており、ファンの間では有名エピソード『ハウス・オブ・M』(ヴィレッジブックス)との繋がりを予想する声もあった。その真相も大きな見どころであろう。
本作について、エリザベスは「マーベルがテレビで何をするのかと少し心配でしたが、アイデアを聞いたらすごく楽しみになった」と語り、ヴィジョン役のポール・ベタニーも『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の撮影後に出演をオファーされ、自分の出番は終わりだと思っていたものの「面白くてメチャクチャなアイデアだったので、もちろん出ることにしました」と話している。
“死んだはずのヴィジョンとの結婚生活”という不穏な幕開けの「ワンダヴィジョン」は、2022年公開『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』に直結し、「MCUのフェイズ4、その未来すべてに影響を及ぼす」とも言われる一作。ポールはMCUの映画とドラマを比較して「作品の価値はまったく同じ。今までに出た映画と同じように、切れ目なく繋がっている感覚です」と強調し、「好き嫌いにかかわらず、テレビと映画の境界線は曖昧になっていくでしょう。そんな中で、まったく手を抜かない作品に参加できるのは本当に楽しい」と述べた。
MCUの新機軸にして最大の問題作が、まもなくその全貌を明らかにする。
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」は2021年1月15日(金)日米同時配信。
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Source: Emmy Magazine