トム・ハーディ『ウォーリアー』ドラマ化企画が進行中 ─ オリジナル版とは別の登場人物、「映画の精神は受け継がれる」

トム・ハーディ&ジョエル・エドガートンが生き別れた兄弟役として共演し、日本でも大きな話題を呼んだ傑作映画『ウォーリアー』(2011)が、ドラマシリーズ化企画として現在進行中であることがわかった。
映画『ウォーリアー』では、アルコール依存症の父親が原因で生き別れた兄弟が、総合格闘技の対戦相手として再会する姿が描かれている。父親役を演じたニック・ノルティは、アカデミー賞にて助演男優賞の候補入りを果たした。
この度、ドラマ化企画の存在を明らかにしたのは、映画版で監督・脚本・製作を担当したギャヴィン・オコナー。『ザ・コンサルタント』(2016)『ザ・ウェイバック』(2020)などの監督としても知られる人物だ。『ウォーリアー』の米国公開から10周年を記念して、Discussing Filmの取材に応じたオコナーは、「2作目を検討していたことがあります」としながらも、「1作目よりも優れた作品にする方法が思いつきませんでした」と断念していた当時の理由も明かしている。
しかし、オコナーは本企画を前進させる方法をついに思いついたのだ。それがドラマシリーズで新たな登場人物たちの物語を描くということだった。「映画ではないので、あの一家も兄弟も父親も登場しません。ただ、映画の精神は受け継がれています。映画版当時のように、僕にとって重要な社会問題を扱うことになるでしょう」。
オコナーが本作で描きたいのは、現代の米国における痛ましい現実とのことだ。「貧困、投獄、メンタルヘルス、依存症など。僕にとって重要な社会問題を、ドラマシリーズの中で、しかし異なる登場人物を通して描きたいです」。オコナーはつづけて、ドラマシリーズの詳細について以下のように説明している。
「4人の登場人物がいます。2人の男と、2人の女。全員が格闘家で、大会に参加して最終的に対決することになるんです。[中略]この作品の目的は、リングの中での戦いを描くことではありません。これはリングの外で繰り広げる戦いを描く物語なんです。彼らは一体何のために戦っているのか?アイルランド・ダブリンにあるマウントジョイ刑務所に入っている登場人物もいますし、パリのイスラム教の保守派が住む区域に住んでいる女性もいて、そこで闘志を燃やしています。彼女はレズビアンであり、格闘家でもあるのですが、その場所ではどちらも許されません。クローゼットの中に閉じ込められたような状態のふたりは、そこから脱出する方法を見つけなければならないんです。それが本作のコンセプトです。」
オコナーは4人のうちのもうひとりの存在も明らかにした。ボビー・ワトキンスというキャラクターで、アメリカ・ヒューストンに住み、家族を貧しい生活から抜け出させるために戦っている男だという。元総合格闘家ダニエル・コーミエがキャスティングされているとのことだ。
なおドラマシリーズは、「ウォーリアー」というタイトルで、ライオンズゲートともに企画を進めているとのことだが、どこで配信・放送となるのかは現時点では明らかにされていない。
Source: Discussing Film