新『スーパーマン』なぜカラフルなのか?「すべてを明るく軽やかに、とことん希望に満ちたものに」

今度のスーパーマンは明るくてカラフルだ。
新DCユニバースの映画第1弾『スーパーマン』を手がけたジェームズ・ガン監督は、旧DC映画ユニバースの『マン・オブ・スティール』(2013)や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)でザック・スナイダー監督が取ったアプローチとは別の角度からこのヒーローを描こうとした。
なぜ、ガンは今回の“明るい”作風を選んだのか?
米Deadlineの取材に対し、ガンは「自分が親しんできたコミックの色彩と喜びが大好きで、映画に注ぎ込みたいと思っていました」と明かす。「ある意味ではライトな映画ですが、ヘビーな要素もたくさんあります。しかし、(スーパーマンという)キャラクター自体は軽やかです」。

ガンはスーパーマン/クラーク・ケントを「とても稀有な」人物だと表現する。「機能不全の家庭ではなく、両親の愛情や支援、感情的なつながりを受けながら成長した。だからこそ、彼はかなりバランスの取れた人物だと思います。しかしながら、そこには欠点もあります」。
プロダクション・デザイナーのベス・ミックルも、米IGNにて「私たちが目指したのは、すべてを明るく軽やかに、とことん希望に満ちたものにすることでした」という。スーパーマン自身の色彩をベースとした美術や衣裳だけでなく、照明やキャストの雰囲気まで、「過去のスーパーマン映画よりもはるかに色鮮やか」な作品に仕上げることを重視したそうだ。
もっとも『スーパーマン』は、必ずしも新DCユニバース全体のトーンを決定するものではないという。興味深いのは、ガンがコミック回帰を宣言するのに対し、ミックルが「ガンの作風に忠実にすることを大切にした」と言っていることだ。
「ジェームズの作品は鮮やかでカラフル、視覚的なことが多いので、この映画でもその作風に忠実であることを重視しました。(新DCユニバースでは)それぞれの映画が独特の雰囲気とルック、作風になることを期待しています。」
映画『スーパーマン』は2025年7月11日(金)日米同時公開。
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