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ルーク役マーク・ハミルが『スター・ウォーズ』に復帰した理由 ― 『最後のジェダイ』は「もはやルークの物語ではない」?

スター・ウォーズ/フォースの覚醒
写真:ゼータ イメージ

1977年『スター・ウォーズ』でルーク・スカイウォーカーを演じ、俳優マーク・ハミルはトップスターへの階段を駆け上がった。1980年『帝国の逆襲』、1983年『ジェダイの帰還』の3部作を務め終えたあとは、映画やテレビドラマだけでなく声優としてその演技力を発揮。なかでもDCコミックスの人気ヴィラン、ジョーカーは“ルークと並ぶ当たり役”として高い人気を獲得している。

そんなハミルは2015年、『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』で32年ぶりにルークとしてスクリーンへのカムバックを果たした。姿を消したといわれたルークは、映画の結末でレイ(デイジー・リドリー)の前に現れるのだ。
長い沈黙を破ってルークを再び演じることを、ハミル自身はどのように感じていたのか? 米AP通信の取材に対して、彼はその心境と最新作『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』への思いを語っている。

『スター・ウォーズ』再登場へのためらい

ルークが戻ってくるのは間違いじゃないかと思いましたよ。だってオリジナル3部作には始まりがあって、中盤があって、終わりもあったんですからね。」

『フォースの覚醒』でルークとしての再登場を打診された時、ハミルはその展開を自ら演じることにためらいを覚えたという。しかし彼の頭をよぎったのは、かの有名な映画シリーズのストーリーだった。

「ふたつのことを考えました。ひとつはオファーを断ってしまうこと。もうひとつは、ルークが農場の少年からジェダイになったところで物語が終わったことです。ジェームズ・ボンドが殺しのライセンスを得て、007になったところで物語が終わるようなものだと思ったんですよ。」

いうまでもなく『007』シリーズはジェームズ・ボンドが“007”として活躍する物語だ。つまりハミルは、きっとルークにもジェダイになった後の物語があるはずだと考えたのだろう。しかし往年の当たり役に再会することは、もちろん恐怖も伴うことで……。

「復帰を求められたときは怖かったですね。“うーん、(ルーク役の)奇跡を起こすのは難しかったんだけどな。このアイデアが賢明かどうかなんて分かんないよ”って思いました。(オリジナル3部作のあと)新しく3部作をやろうとした時でさえ、彼ら(ルーカスフィルム)は僕らと一緒にやろうとは思わなかったんですよ。
ジョージ・ルーカスは、僕たちでもう3本作るとは決して言いませんでした。“きっとまた出てくる、カメオ出演で次の世代にエクスカリバーを手渡すんだ”とは言ってましたけどね。」

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ
©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

『最後のジェダイ』は「もはやルークの物語ではない」?

『フォースの覚醒』の最後に登場したルークの姿は、私たち観客が記憶しているものとは大きく異なっていた。単純に見た目が老けたからではない。『ジェダイの帰還』から『フォースの覚醒』までに起きた出来事の数々は、ルークの心身に大きな影響を与え、彼を惑星アク=トゥーに閉じ込めてしまうに至ったのである。

「『ジェダイの帰還』から『フォースの覚醒』までの間には、知られざる歴史が数十年ぶん存在します。それらすべてをどう扱うつもりなんだろう、と思いましたね。現に『フォースの覚醒』のJ.J.エイブラムスは手いっぱいになっていて、僕の出番が後になるのは仕方ないことでした。以前の出演者と再び共演できなかったのは残念でしたが、僕にできることはなかったですね。」

現在のルークについて、ハミルは「オリジナル3部作に登場した他のキャラクター以上にルークは変わったと思いますね」と語っている。また「それこそが僕には魅力的だったんですよ」とも。
その“知られざる歴史”にようやく日が当たるのは、待望の最新作『最後のジェダイ』だ。

「ライアン・ジョンソン(監督)には自分のバックストーリーを知りたいと話しました。明らかになっていないことを知りたいって。彼が今どこにいて、何をしていて、自分自身の空白をいかに埋めなければならないのか。だから僕は、自分自身のバックストーリーを演じたんですよ。もはやルークの物語ではないですから、重要なことではありません。けれども僕は自分自身について理解しなきゃいけなかったんです。ライアンの用意してくれたものには驚かされましたね。」

わずか3作品の映画でルーク・スカイウォーカーは歴史に残るポップカルチャーのアイコンとなった。そんな役柄を演じたマーク・ハミルにとって、その再演は自分の人生にとってもただならぬ意味を持つのかもしれない。1977年『スター・ウォーズ』のオーディションを振り返って、彼はこのように語っている。

「(当時)『ザ・テキサス・ホイーラーズ』というテレビシリーズをやってたんですよ。画期的な番組だと思ってたんですが、すぐに打ち切られてしまって。でもあれが成功してたら、僕が『スター・ウォーズ』をやることはなかったと思います。運命っておかしなものですよね。」

それからこんなふうにも……。

「自分の死亡記事の一行目に書かれることがわかってるのって、変だし不気味な感じですよ。」

映画『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国ロードショー

Source: https://www.apnews.com/d2500042bed64b599c29b3e0c6b52e7f/Mark-Hamill-on-Luke-Skywalker’s-return,-losing-Carrie-Fisher
写真:ゼータ イメージ

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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