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『メメント』主演ガイ・ピアース、なぜノーランと再タッグを組めないのか ─ スタジオ絡むウラ事情が明かされる

『メメント』2024年再上映用
©2000 I REMEMBER PRODUCTIONS,LLC

『ダークナイト』3部作や『オッペンハイマー』(2023)など、いまや巨匠となった映画監督クリストファー・ノーランの出世作『メメント』(2000)。この映画で主演を務めたのが、のちに『アイアンマン3』(2013)や『英国王のスピーチ』(2010)などにも出演するガイ・ピアースだった。ところが、ノーランとの再タッグはいまだ実現していない。

なぜ、ノーランとピアースは再び仕事をしていないのか──。その背景には、ノーランの長年にわたるパートナーだったワーナー・ブラザースの妨害があったという。米Vanity Fairにてピアース自身が明かしたところによると、ノーランは『バットマン ビギンズ』(2005)などでもピアースにオファーを出していたというのだ。

「彼(ノーラン)は何年もの間、僕に出演の話を持ちかけてきてくれました。『バットマン ビギンズ』と『プレステージ』(2006)です。けれどもワーナー・ブラザースの幹部のなかに、僕のエージェントに対して、“ガイ・ピアースはダメだ、絶対に雇わない”と公言していた人がいたんです。[中略]すなわち、それはノーランと二度と仕事ができないということ。その人は、僕を俳優として信頼していなかったんですよ。」

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ピアースによると、『バットマン ビギンズ』でオファーを受けていたのは、最終的にリーアム・ニーソンが演じたラーズ・アル・グール役だったそう。いわく、「役柄の話をするためロンドンに招かれましたが、僕が出られないことがフライト中にわかったのでしょう。到着するなり、クリスは“バットモービルを見ながらディナーでもどうですか”と言ってきたんです」。

ちなみに、ピアースは『メメント』で妻役を演じたキャリー=アン・モスとも「残念ながら疎遠になってしまいました。ユーモアのセンスがある楽しい方でした」と語っている。刑事テディ役を演じたジョー・パントリアーノについては「映画の演技を教えてくれた先生。僕は即興演技が得意でないけれど、彼は得意な人だったので、相手役のやりかたを学びました」という。「キャリー=アンやジョーと過ごした時間は楽しかったですね」。

『プレステージ』のあと、ノーランとピアースは特に連絡を取っていないとのこと。もっとも、いまやノーランはワーナーとのパートナー関係を解消し、『オッペンハイマー』と次回作の新作映画(タイトル未定)ではユニバーサル・ピクチャーズと組んでいる。「僕の時代だね!」とピアースは意気込みをあらわにした。

Source: Vanity Fair

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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