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『007』シリーズ、幻の『オーシャンズ11』ソダーバーグ監督版はなぜ実現しなかったのか

スティーヴン・ソダーバーグ
Photo by nicolas genin https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Steven_Soderbergh_at_the_66th_Mostra.jpg Remixed by THE RIVER

おなじみスパイ・アクション映画の金字塔、007シリーズを『オーシャンズ11』シリーズで知られるスティーブン・ソダーバーグ監督が手がける可能性があったという。ポッドキャスト「Happy Sad Confused」にてソダーバーグ自身が明かした。

ソダーバーグ監督といえば、『オーシャンズ11』シリーズの大作路線をはじめ、コロナ禍で再評価された『コンテイジョン』(2011)や『インフォーマント!』(2009)『ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-』(2019)などの社会派映画のほか、スリラー、コメディなど、30年以上のキャリアで幅広い作品を世に送り出してきたフィルムメーカーである。今回、ソダーバーグは『007』の監督就任に向けて、シリーズのプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリとの話し合いに入っていたことを認めた

「僕は(『007』の)世界が大好きです。だけど、いくつか大切なところで考えが合わなかったんですよ。あれは素晴らしい話し合いだったし、(『007』について)考えるのは楽しかった。だけど、あともう少しというところで実現できませんでした。解決する方法を見つけられなかったんです。」

すなわちソダーバーグが『007』を撮るに至らなかったのは、プロデューサー陣との“創造性の相違”が原因だったのだ。監督は具体的な話し合いの時期を明かしていないが、考えられるのは、ブロッコリがプロデューサーに就任した『007 ゴールデンアイ』の1995年よりも後、そして2009年よりも以前だろう。なぜならソダーバーグは、当時のアイデアが『エージェント・マロリー』(2011)に活かされたことも明かしているからだ。同作の企画が初めて伝えられたのは2009年のことだった。

「アイデアの一部は別の作品に使っています。大作映画ではありませんが、『エージェント・マロリー』にはキャラクターへのアプローチが少し活きていますね。(『007』で)自分が求めていた発想の手がかりになると思います。」

ソダーバーグは以前、自身にとって最高のボンド映画は『女王陛下の007』(1969)だと語ったことがある。「純粋なエンターテイメントである以外にも繰り返し観る価値のある唯一のボンド映画」だとして、撮影や編集の美しさに特別な賛辞を述べているのだ。もしソダーバーグ版『007』が実現していたら、いったいどんな作品になっていたのだろうか。

ちなみにソダーバーグは、現在の『007』について「非常にうまくいっている」と語り、コロナ禍のために公開延期となっている最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』には「公開できることを祈っています」とメッセージを送っている。

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Sources: Happy Sad Confused, The Playlist, VIEW AND REVIEW

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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