「アーノルドはターミネーター、シルヴェスターはロッキーとランボー、私はジョン・マクレーン」 ─ ブルース・ウィリスに「いつでも戻れる役」薦められたサミュエル「ニック・フューリー役で実感」

息の長い俳優には、キャリアの中で“当たり役”というものがある。サミュエル・L・ジャクソンにとって、マーベル映画のニック・フューリーはその一つだ。そこには、あのブルース・ウィリスが予見した運命が隠されていたらしい。
そう、ウィリスにも当たり役がある。『ダイ・ハード』シリーズで幾度となく不運や逆境を乗り越えてきたジョン・マクレーン役だ。ウィリスとジャクソンは、1995年の『ダイ・ハード3』にて共演している。その撮影時、ジャクソンは彼にこんなことを言われたそうだ。「うまくいけば、駄作に出てお金が稼げなくなっても、みんなに愛されるキャラクターにいつでも戻れるようになる」。
ウィリスは次のように続けたと、ジャクソンは米Vanity Fairに語っている。「アーノルドにはターミネーターがある。シルヴェスターにはロッキーとランボーがある。私にはジョン・マクレーンがある」。
「ああ、そうか」。その時ジャクソンはぼんやりと答えたそうだ。1995年当時といえば、ジャクソンは『ジュラシック・パーク』(1993)『パルプ・フィクション』(1994)といったヒット作で活躍していた頃だ。 一方、ウィリスは『ダイ・ハード』シリーズを人気作に押し上げた傍らで数々の作品に出演。1994年の『ノース 小さな旅人』『薔薇の素顔』は評判が悪く、その年のゴールデンラズベリー賞の餌食にもなっていた。
ジャクソンは1999年の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でメイス・ウィンドウ役として大人気シリーズの仲間入りを果たすが、同役は2005年の『エピソード3/シスの復讐』で死亡。ウィリスが伝えていた言葉を実感したのは、2008年の『アイアンマン』以降のニック・フューリー役を演じた時のことだそうだ。
「ニック・フューリー役にめぐりあって……あの役では9本の出演契約を交わしたわけですが、その時に初めて、“ブルースが言っていたことだ。僕もそういうキャラクターを見つけたぞ”と感じましたね。」

ジャクソンにとって、ニック・フューリーが俳優としてのホームとなったようだ。ちなみに9本もの出演契約を交わしていたということについて、ジャクソンは当時仰天したことも過去に語っている。「9本も映画をやるために、どれだけ生き続けなければならないんだ?」
今ではすっかりお気に入りの役になり、アカデミー賞などの賞レースに振り回されるよりも「ニック・フューリーとか、メイス・ウィンドゥをやってライトセーバーを持っている方が楽しい」と話したことがある。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)はこれからも進化を続けるし、ニック・フューリーも劇中でまだまだ現役。この愛されるキャラクターに、いつでも戻ってきてほしいものだ。
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