Menu
(0)

Search

【ネタバレ】『X-MEN: ダーク・フェニックス』撮影されていた「幻の結末」とは ─ クライマックスの再撮影、その真相をひも解く

X-MEN︓ダーク・フェニックス
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

この記事には、映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』の重大なネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

オリジナルの結末、MCU映画に似ていた?

さて、サイモン監督は『X-MEN: ダーク・フェニックス』の結末をどのようなものとして構想していたのだろうか。劇場公開と前後して囁かれたのは、オリジナルの結末が、『アベンジャーズ』で知られるマーベル・シネマティック・ユニバース作品に類似していたという説だ。発端は、英Yahoo! MOVIESの取材にて、プロフェッサーX役のジェームズ・マカヴォイがこう発言したことだった。

「結末がものすごく変わったんですよ。第三幕を変えなければいけなくなった。少し前に公開された別のヒーロー映画に似ているところがたくさんあったんです。そうとは知らなかったんですが…。」

これを受けて米国メディアやファンの間では、“いったいどの映画に似ていたのか”との推測合戦が勃発。有力視されたのは、本作と同じくヒーローが対立する『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)と、女性ヒーローと宇宙の関係が描かれる『キャプテン・マーベル』(2019)だった。

X-MEN︓ダーク・フェニックス
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

では、真相はどうだったのか。実はサイクロップス/スコット・サマーズ役のタイ・シェリダンは、米Cinema Blendにてオリジナルの結末をすべて明らかにしている。

「もともと、脚本ではチャールズとスコットが国連本部を訪れる展開でした。国連に行って、二人で議長を説得しようと試みるんです。“エイリアンの攻撃を受けている、ジーン・グレイが捕らわれてしまった”とか、そういうことを伝える。するとジーンが国連本部の前に現れて、そこで国連の護衛たちとジーンの激しい戦いが起こる。護衛たちが全員スクラル人だと分かって、ジーンとスコットが噴水の中でスクラルと戦うんです。スコットが本部前にある噴水に放り込まれると、ジーンが現れて、二人でスクラルと対決する。スクラルが宇宙へ飛び去っていき、(ジーンが)スコットとチャールズに別れを告げるんです。それで終わりだったと思います。」

この説明は、再撮影前の結末は「宇宙が舞台」だった(=ジーンが宇宙へ飛び去って行ったあとの展開と思われる)、「ジーンとサイクロップス、チャールズが協力してヴィランと戦う結末」だった、という報道にまったく矛盾していない。サイモン監督がラストにX-MEN全員の登場を予定していなかったことを鑑みれば、やはりラストは3人とジェシカ・チャステイン演じるヴィランの対決だったのだろう。

X-MEN︓ダーク・フェニックス
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

米io9では、サイモン監督みずから、本作の展開について「『キャプテン・マーベル』よりも『シビル・ウォー』の結末に似ている部分が大きかった」との見解を語っている。

「多くの場合、こうした大作のアクション映画は第三幕に一番の山場がやってきます。だけど僕は、『シビル・ウォー』のように、第三幕ではなく、第二幕の最後に全員が揃う大規模なアクションシーンを用意するのがとても好きなんですよ。ものすごい戦闘の後、ウィンター・ソルジャーとキャプテン・アメリカ、アイアンマンだけが残る。(本作も)彼らの生々しい感情を掘り下げるラストで、奥深くて好きだったんです。そんな結末を目指していました。」

一方でサイモン監督は、再撮影が『キャプテン・マーベル』公開のずいぶん前に行われていたことを強調。同じくDeadlineも、撮り直し以前に製作チームが『キャプテン・マーベル』の内容を知ることはなかったと伝えている。とはいえ、監督は「後から『キャプテン・マーベル』に似ていると思われたかもしれませんね」とも述べた。やはり、ジーンが宇宙でヴィランと戦うシーンには『キャプテン・マーベル』との類似があったのだろう。




ところで聞き逃すわけにいかないのは、タイ・シェリダンが劇中のエイリアンについて「スクラル人」とはっきり明言していることだ。スクラル人は人間の見た目をコピーする能力をもったエイリアンで、映画にも『キャプテン・マーベル』で登場したばかり。本作のエイリアンはスクラル人ではなく、見た目もスクラル人のそれとはまったく異なるものだったが、おそらく初期段階ではスクラル人との設定だったのだろう。これについては、おそらくマーベル・スタジオとフォックスがなんらかの調整を行った末に変更されたとみられる。

X-MEN: ダーク・フェニックス
©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

ちなみに本作は、結末のみならず、さまざまな紆余曲折を経て実現していたことも明らかになっている。Deadlineによれば、コミック『ダーク・フェニックス・サーガ』の映画化はもともと2部作として計画されていたが、プリプロダクション(事前準備)の終盤になってフォックスが翻意し、一本の映画にすることを決定。サイモン監督はこれを受け入れて脚本を書き直したという。

さらに米Screen Rantでは、ソフィー・ターナーとジェシカ・チャステインによって、撮影中に脚本が随時書き直されていたことも語られている。ソフィーは「監督と毎日2時間くらい話し合って、脚本を1ページずつ隅々までチェックしていました。脚本は常に書き直されていったんです」と述べ、ジェシカも「話し合って得られたことがあると、次の日の朝、サイモンがやってきて“何ページか書いてみました、僕たちの方向性ならこちらのほうが面白くなるかも”と言うんです」と付け加えている。

映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』は2019年6月21日(金)より全国公開中

『X-MEN: ダーク・フェニックス』公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/darkphoenix/

Sources: EW, Deadline, io9, SR, Cinema Blend(1, 2), THR(1, 2) , Yahoo!

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条として、海外の映画・ドラマを中心に執筆しています。日本国内の映画やアニメーションも大好きです。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Comment

Ranking

Daily

Weekly

Monthly