『ゼルダの伝説』ハリウッド映画化は実写版ジブリを目指す、監督が意気込み ─ 「特別なものを作りたい」
2023年11月上旬に発表されて大きな話題を呼んだ任天堂のゲームシリーズ『ゼルダの伝説』ハリウッド実写映画化企画は、実写版ジブリのような作風を目指しているようだ。監督のウェス・ボールが展望を語っている。
ボール監督は大の“ゼルダ”ファンとして知られており、まさに夢の企画を手がけることになった。ハリウッドでゼルダを実写化するとなると、ファンタジー巨編『ロード・オブ・ザ・リング』のような世界観を想像してしまうが、これは監督が目指すものではないという。米Entertainment Weeklyでは、日本を代表するあのクリエイターの名前を挙げながら、映画化への想いを明かしている。
「この素晴らしいファンタジーアドベンチャーには、『ロード・オブ・ザ・リング』のようなものではない独自の世界があります。私は、“実写版ミヤザキ”を見てみたいと常々言ってきました。彼が生み出す驚嘆と斬新さを私も見てみたいです。」
剣と魔法の世界“ハイラル王国”を舞台とした『ゼルダの伝説』では、現実でも旅がしたいと思うほど雄大な自然が描かれる。それは宮崎駿が生み出してきたジブリ作品でも同様で、日本だけでなく世界中のファンを虜にしてきた。ボール監督は「最高なものになりますよ」と予告しながら、意気込みを語る。
「自分の人生はこの瞬間に導かれてきました。ゼルダをプレイして育ってきましたし、言わせてもらえば、一番重要な、まだ手のつけられていないIPだと思います。だからこそ、ものすごく一生懸命働いています。できるからやるというのではない。すごく特別なものを作りたいのです。」
ボール監督といえば企画発表後、駆け出しの頃Twitter(現:X)にアップしたある投稿が話題となった。映画界ではジェームズ・キャメロン監督による『アバター』(2009)が世界的大ヒットを記録した翌年、2010年。ボール監督はまさか13年後に夢が叶ってしまうとは露知らず、こう綴っていたのだ。「監督するチャンスをこれ以上望むものはない。次の『アバター』のようなモーキャプ(モーション・キャプチャー)映画は『ゼルダの伝説』であるべきだ」。
Since I could never even hope to have the chance to direct it… the next big mo-cap Avatar-like movie should be… THE LEGEND OF ZELDA.
— Wes Ball (@wesball) January 29, 2010
これについて、「自分でも忘れていました」と監督。「誰かが掘り出してきたんです」としながらも、「自分でも“なるほどな”って思いました」と変わらぬ情熱を実感した瞬間を振り返った。
ボール監督が現在取り組んでいるのは、2024年初夏に日本公開を控える『猿の惑星/キングダム』。同作の作業が落ち着いたら、『ゼルダの伝説』に「のめりこんで、ファンの望むものを与えられたらなと思っています」と語っている。「任天堂の望みは、40年目続くこの世界をみなさんにお披露目することだと思います」。
本企画では、任天堂代表取締役フェローの宮本茂や、『スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』シリーズなどを手がけたアヴィ・アラッドが共同製作を担当。現在は脚本開発段階にある。
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Source:Entertainment Weekly