『007』第25作、監督候補者3名を紹介&解説 ― 最有力は『ベルファスト71』ヤン・ドマンジュ

2019年11月8日の米国公開が決定した『007』第25作を手がける、新たな監督候補者たちの名前がひとまず出揃った。前作『007 スペクター』(2015)のサム・メンデス監督がシリーズを続投しないことで、シリーズを製作するメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)社とイーオン・プロダクションズ社には新たな監督の起用が求められている状況なのだ。
今回、バラエティ誌およびDeadlineは新たな監督候補者について独自に入手した情報を紹介している。

最有力候補は『ベルファスト71』ヤン・ドマンジュ監督

現在、『007』第25作でメガホンを取る人物の最有力候補とされているのは、『ベルファスト71』(2014)を手がけた新鋭ヤン・ドマンジュだ。バラエティ誌はドマンジュの名前を単独で報じているが、Deadlineも複数の候補者のうちで「わずかに有力」と記した。
ドマンジュ監督の長編デビュー作にして代表作である『ベルファスト71』は、敵地にひとり取り残されたイギリス軍兵士の脱出を描いたスリラーだ。登場人物たちのさまざまな思惑が生み出すサスペンス、そして戦場という極限下の人物造形を巧みに描き出す演出手腕が高く評価されている。ちなみに現在は、新作『ホワイト・ボーイ・リック(原題:White Boy Rick)』の撮影が終わったばかりのようだ。


またDeadlineはドマンジュと並んで、『メッセージ』(2016)や『ブレードランナー 2049』(2017年10月27日公開)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、『最後の追跡』(2016)がアカデミー賞にノミネートされるなど非常に高く評価されたデヴィッド・マッケンジー監督の名前を挙げている。どちらも『007』シリーズに検討されていることが少々意外なほど硬派な作家性の持ち主だが、その演出力に疑いの余地はない。
ところが現在、ヴィルヌーブには『デューン/砂の惑星』(1984)のリメイク企画が控えているほか、マッケンジーにも新作『アウトロー・キング(原題:Outlaw King)』の予定がある。Deadlineがドマンジュを有力視している理由には、候補者たちのスケジュールの都合があるというわけだ。ちなみに同誌によると、すでに候補者3名はプロデューサー陣との面会を済ませているという。

これまで『007』シリーズには、クリストファー・ノーランやエドガー・ライトといった人気監督の登板を望む声もあった。しかしノーランは、シリーズに「改革が必要なタイミング」までは登板しないことを示唆しており、ライトも登板する際にはリブートを求める意向を示しているようだ。
すでにイギリスのザ・ミラー誌ニューヨーク・タイムズ誌が先行して報じ、今回バラエティ誌やDeadlineも意見を揃えているように、『007』第25作にはダニエル・クレイグが再登板するとみられる。したがって2人が監督を務める可能性はほとんどないだろう。

なお『007』シリーズを製作するMGM&イーオン社は、起用する監督にネームバリューをさほど強く求めない傾向にあるようだ。歴代監督でも、『007 スカイフォール』(2012)や『007 スペクター』のサム・メンデスは比較的特殊な人選だったと言ってよいだろう。3名の候補者のうち、最も知名度が低いヤン・ドマンジュ監督が監督就任にいたることは十分にありえる状況だ。

映画『007』第25作は2019年11月8日より米国公開予定

Sources: http://variety.com/2017/film/news/yann-demange-bond-25-daniel-craig-likely-to-return-1202507288/
https://deadline.com/2017/07/james-bond-director-short-list-yann-demange-denis-villenueve-david-mackenzie-1202136402/
http://collider.com/bond-25-director-list-denis-villeneuve/
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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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