『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』レア・セドゥ、撮影中に悲しい気持ちに ─「ダニエルの最後の映画だから、できる限りのことをした」

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)をもって、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンド役の務めを終えた。ひとつの長い歴史が幕を閉じたわけだが、それゆえにレア・セドゥは撮影中に悲しく思う瞬間があったようだ。
レア・セドゥは、『007 スペクター』(2015)につづいて、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にてジェームズ・ボンドが死闘を繰り広げてきた敵の娘であり、今では恋人であるボンドウーマン、マドレーヌ・スワン役を演じた。Total Film/GamesRader+のインタビューにてセドゥは、「ダニエルの最後の作品だから、私たちはできる限りのことをしました」と語っている。
「15年間に渡り、彼はここにいる方々と仕事をしてきたのです。ほとんどのスタッフを知っていました。家族のようなものだったのです。だから、少し悲しい気持ちにもなりました。ただ同時に、私たちは最高の映画を作るために全力を尽くしていましたよ。」
ピアース・ブロスナンからジェームズ・ボンド役を引き継ぎ、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)から、『007 慰めの報酬』(2008)、『007 スカイフォール』(2012)、『007 スペクター』、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』までシリーズを牽引してきた俳優、ダニエル・クレイグ。15年に渡り全身全霊を注いできた大役を務め上げたクレイグのため、セドゥは全力を尽くしたわけだが、本人としては役作りの準備期間が不足していると感じていたようだ。
「『スペクター』では、8カ月間に渡り撮影が行われました。リハーサルを行う時間があり、映画の雰囲気に溶け込むこともできたのです。ただ今回は、リハーサルの時間を取れなかったので、そのまま映画に飛び込むほかありませんでした。[中略]今回の作品では、マドレーヌのとてもエモーショナルなシーンがあります。だから、自分を解放する必要がありました。」
セドゥはリハーサルや役作りの時間を多く確保できなかった理由について、THE RIVERのインタビューにて「他の映画の撮影に参加していて、2作同時並行で進めていた」と説明していた。限られた時間の中で役と向き合い、マドレーヌ・スワンというストーリーのキーパーソンを演じ切らなければならなかったというわけだ。そこにストレスを感じることもあったようだが、「これまでとは違う感じがしたので、興味深くもありました」と話している。
Source: Total Film/GamesRader+