1998年ハリウッド版『GODZILLA』脚本家が当時を大反省 ― 「あれはゴジラじゃない」

2014年、のちに『ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー』(2016)を手がけるギャレス・エドワーズ監督が手がけたハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』は、怪獣王ゴジラを現代に蘇らせる契機となった作品だ。
しかしその16年前にも、アメリカの地をゴジラが襲撃していたのである。その映画、『インデペンデンス・デイ』(1996)のローランド・エメリッヒ監督による『GODZILLA』(1998)は興行・批評の両面で厳しい扱いを受けた。米Syfyは、この作品の失敗が、結果として日本版「ゴジラ」シリーズを2004年で終了させるに至らしめたとまで記している。

なぜ、ゴジラにとって初めてのアメリカ上陸は不発に終わってしまったのか? 『GODZILLA』の脚本・製作を務めたディーン・デヴリン氏が、同メディアの取材にて、作品の抱えていた問題点をあらゆる角度から分析、反省している……。

コンセプト、情熱、脚本に問題が…?

怪獣王ゴジラの大ファンだったというディーンは、そのハリウッド・デビューに携わることは「とんでもないプレッシャーだった」と振り返る。「しかし最大の問題は、あの映画を『インデペンデンス・デイ』と同じくらい大スケールで、オリジナルで、激しい映画にしようとしていたことかもしれません。あれはそういう機会ではなかったんです。」

『インデペンデンス・デイ』でも製作・脚本としてローランド監督とタッグを組んだディーン氏は、『GODZILLA』にもローランド監督を引き入れる。しかしディーン氏は、思えばその段階から問題があったというのだ。

「大きな問題のひとつは、私がローランドにあの映画を撮らせたことでしょう。私はゴジラの大ファンで、ゴジラを観て育ちましたが、ローランドはそうじゃなかった。ゴジラに強い情熱があったわけではないんです。彼が情熱を持てるストーリーを一緒に作ることはできましたし、映画に情熱はあったと思いますが、そのやり方はゴジラという存在に敬意を払い、ゴジラを愛する人々に喜んでもらえるものではありませんでした。」

こうしたズレは、ゴジラというキャラクターをいかに解釈するかという問題において大きなひずみを生むことになる。ローランド監督とディーン氏が編み出したのは「興味深く知的なアイデアではあったが、映画にふさわしくなかった」という。

「現実世界でトカゲには善も悪もない、ただのトカゲだ、という話をしていました。もしもトカゲが生存するためにあの(巨大な)サイズになり、それが脅威なんだとしたら、私たちに怒りを抱いてはいないんじゃないかと。そうなるべくしてなったものが私たちにとっては問題なんだ…というのは面白いアイデアだったと思います。ただし、それはゴジラじゃない。ゴジラは第1作(1954)には邪悪な怪獣として登場して、あとからヒーローになっていった。私たちが作ったのはそのどちらでもなかったんです。」

GODZILLA

© Sony Pictures 写真:ゼータ イメージ

ディーン氏の反省は止まらない。登場人物の描き方に問題があったこと、主演のマシュー・ブロデリックの優れた実力を理解していなかったことに加えて、ゴジラの死に観客が思いを馳せることもできなかったと述べるのだ。

「映画のラストでは(ゴジラの)心臓の鼓動が聞こえ、彼が死んでいくわけです。エモーショナルなシーンになるはずだったんですが、そうならなかった。ゴジラに対して何を感じるべきなのか、ゴジラを応援するのか恐れるのか、私たちにもわかっていなかったからですよ
あの映画は、観客がキャラクターに何を感じるべきなのか、ということに取り組んでいなかった。(終盤に登場する)ベビー・ゴジラよりも大きな間違いが作品の根っこにあったと思います。」

 

20年前の作品を自ら酷評してみせるディーン氏だが、それでも『GODZILLA』は自身の手がけた大切な作品のひとつだ。最後には、こんな優しい目線を忘れてはいなかった……。

「(『GODZILLA』は)ある点では厳しく扱われすぎたと思いますし、またある意味では、ゴジラのようにアイコニックなものを扱うときに必要なものが欠けていたんだと思います。私たちの失敗もあったし、認識のされ方にも問題はあったと。
みなさん、今ではほとんど期待せずにあの映画を観ますよね。“あれ、ぜんぜん良いじゃない”って思ってもらえてると思いますよ。」

Source: Syfy
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THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくお伝えしたいと思っています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp へ。

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