【ネタバレ】『アントマン&ワスプ』は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』とどう関係?

マーベル・スタジオ最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が公開中だ。マーベルからは、続けて2018年8月31日に『アントマン&ワスプ』が公開を迎える。かたや”アベンジャーズ全滅”を謳う悲壮感漂うトーン、かたや身長1.5センチのヒーローの活躍をコミカルに描くトーン…。一見対極的に見られるこの二作は、どのような関係にあたるのか。脚本家や監督がインタビューで答えた。

あえて『インフィニティ・ウォー』に登場させない理由
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のヒーローらが全集合を果たすと思われていた『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』だが、予告編映像やポスターなどのプロモーションに一切姿を見せなかったホークアイことクリント・バートン、そしてアントマンことスコット・ラングは、結局本編にも登場しなかった。ナターシャの話によれば、二人は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の騒動を受けて司法取引を行い、現在は自宅軟禁状態にあるという。『インフィニティ・ウォー』で起こった一連の事件を、テレビやネットの報道を見て唇を噛むことしかできなかったであろう二人の心中をまずは察したい。
しかし、彼らはなぜ劇中に一切姿を見せなかったのか。この疑問について、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』脚本のクリストファー・マーカスとステファン・マクフィーリーがThe Hollywood Reporterのインタビューで答えている。
「来年になれば、全てが明らかになりますよ。アントマンには、彼なりの役割がある。『アベンジャーズ』二作の中間に公開の『アントマン&ワスプ』でそれが描かれるわけです。そういう点では『キャプテン・マーベル』も同様ですね。」
なお『アントマン&ワスプ』は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』後、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』以前の物語が描かれるとされている。少なくともアントマンについて、あえて『インフィニティ・ウォー』に登場させずに単独映画を用意できたことを「好機と見た」と語るマクフィーリーに続け、マーカスがさらに詳細を明かしている。
「アントマンのシリーズは明るいトーン。楽しくて、若者向けなところもあるかも。もしもアントマンを、この極めてヘヴィな映画(=『インフィニティ・ウォー』)に出していて、そこから『アントマン&ワスプ』を作るとなっていたら、製作者に“まぁ、アントマンは地獄を見てきたけど、どうぞ好きなように遊んでもらって”なんて言わなくちゃいけなかったかもしれない。こうならないために、キャラクターの接点にはかなり気を使ったんですね。“(アントマンの『インフィニティ・ウォー』登場は)見送ろう。そうすれば後味を悪くすることなく楽しいものを作れるぞ”、と。」
マーカスが語るように、数あるMCU作品の中でも『アントマン』は最も明るいトーンにあたる作品だ。確かに『インフィニティ・ウォー』の悲劇を経験するアントマンを先に観てしまっていては、『アントマン&ワスプ』を平常心で楽しむことはできなかっただろう。
現代的な男女の価値観描く
このようにマーベル・スタジオは、観客に『インフィニティ・ウォー』の辛さをいったん忘れてもらい、『アントマン&ワスプ』を完全なる娯楽大作として持ち出したい意図があるのではないだろうか。監督のペイトン・リードは、米Comicbook.comのインタビューで作品のトーンを以下のように語っている。
「『アントマン』第一作では、ポールをアクション・ヒーローやコメディ・アクション・ヒーローとして描きましたが、まだアクション・ヒーローとしての側面が強かった。でもそれは一作目でやり遂げたので、今作では少し肩の力をゆるめているから、すごく楽しかった。」
ペイトン監督によれば「『アントマン&ワスプ』で重要なのは、ホープ(ワスプ)をサポートキャラにしないこと。彼女がリード・キャラクター」なのだという。スコットとホープを通じて、現代的な男女の価値観が描かれることになりそうだ。
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