アベンジャーズの変革期に『アントマン&ワスプ』がマルチバースを切り拓く?出演女優が明かす「新しいフェイズ」とは

映画『アントマン』(2015)でエヴァンジェリン・リリーが演じたホープ・ヴァン・ダインは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)においても珍しい「途中からヒーローになるキャラクター」だ。続編『アントマン&ワスプ(原題:Ant-Man and the Wasp)』ではスコット・ラング/アントマンとともに、タイトルロールのワスプとして活躍するのである。
ユニバースの激動期にあたる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年4月27日公開)および『アベンジャーズ』第4作(正式タイトル不明。2019年5月米国公開)の間に公開される本作、そこでヒーローになるホープ・ヴァン・ダインという人物は、MCUに起こる大きな変化を象徴するものといえるのではないだろうか。演じるリリーは、周囲で起こっている動きについて、言葉を選びながら丁寧に語っている。
生まれ変わるMCUで『アントマン&ワスプ』が担うもの
『アントマン&ワスプ』が初登場になるワスプは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』には登場せず、第4作にてクロスオーバーへの参戦を果たす。
米Vanity Fair誌によると、リリーは『インフィニティ・ウォー』について聞かされた際、かつて出演していたドラマ『LOST』シリーズ(2004-2010)を思い起こしたという。
「『インフィニティ・ウォー』やマーベルの向かっている方向性を聞いて、『LOST』とのデジャブを感じたことがありました。シーズン4ではすべてが変わっていって、自分たちを支えてきた確たるものが失われていったんです。もちろん(『アントマン&ワスプ』は)そんな中にあるんですよ。」
現時点で『インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ』第4作、その2作品に挟まれた『アントマン&ワスプ』や『キャプテン・マーベル(原題:Captain Marvel)』が、時系列や物語としてどんな関係にあるのかはわかっていない。しかしリリーの発言を聞くかぎり、『アントマン&ワスプ』は『インフィニティ・ウォー』の影響下にある作品となりそうだ。
「ケヴィン(・ファイギ社長)の指揮がなければ、こうした要素がなくなったり、ワスプのようなキャラクターに道を開いてくれた人々がいなくなったりすることはすごく気が重かったと思います。彼に『インフィニティ・ウォー』のストーリーを聞かされて、私たちが新しいフェイズに入っていくことがわかりました。新しいフェイズの色合いは、『アントマン』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『マイティ・ソー バトルロイヤル』からはっきりと見えてくるんです。よりカラフルで、遊び心があって、リアリティもしっかりとある…そういうところに向かっているんですよ。」
前作『アントマン』はコミカルな強盗映画としての側面が強かったが、続編はさらに軽やかなテイストの作品になるということだろうか?
しかしその一方で、彼女は『アントマン&ワスプ』がMCUで担うことになる非常に重要な役割を示唆してもいる。
「(『アントマン』の)キャラクターは量子の世界のエキスパートですよね。『アントマン&ワスプ』で、彼らは安全に量子の世界に飛び込み、戻ってくるために自らの能力をとことん試すんです。1作目でスコット・ラングはやってのけたわけですから、彼にできて、どうして私たちにできないのか?って。
『アントマン&ワスプ』が成功すれば、まったく新しいマルチバース(多元宇宙)が開かれることになります。私はストーリー・クリエイターではないので、どうなるのかは言えませんが、確かな可能性がありますよね。」
思えば『ドクター・ストレンジ』(2016)が劇場公開される以前、同作がMCUのマルチバースを開拓すると伝えられたことがあった。劇中ではその要素が提示されたのみだったが、『アントマン&ワスプ』でも同様の可能性が示されることになるのだろうか。
マーベル・スタジオの親会社である、ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・アイガーCEOは『アベンジャーズ』第4作以降に「地理的にも時間的にも、完全に独立した世界を求めている」と語っていた。マルチバース構想が現実化すれば、まさしくそこではかつてない世界が描かれることになりそうだが……。
映画『アントマン&ワスプ』は2018年7月6日に米国公開予定。
Source: https://www.vanityfair.com/hollywood/2017/11/the-future-of-the-marvel-cinematic-universe-robocop
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