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今年最もナイスな宣伝だった「THE RIVER AWARD 2018 ベスト宣伝賞」は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』

2018年も、THE RIVERでは数多くの洋画作品のニュースを取り上げさせていただいた。洋画の宣伝といえば、作品の世界観・メッセージにそぐわない「迷宣伝」が様々な声を呼ぶ一方で、作品やファンと真摯に向き合った「ナイス!」な宣伝が多いことも是非知って頂きたい。

そこでTHE RIVERでは、日本の洋画宣伝をポジティブに盛り上げたい一心で、昨年(2017年)よりTHE RIVER AWARD ベスト宣伝賞」として、今年最も宣伝がナイスだった洋画作品を1つだけ(勝手に)選出させて頂いている。審査の基準となるのは、以下の3点だ。

  1. 作品への愛がスゴい。
  2. ファンへの愛がスゴい。
  3. 2018年中、THE RIVERに情報を頂いた劇場作品。

この条件を基に、真摯に作品の魅力をファンに伝えようとする姿勢を最も感じられた作品を選出するよう心がけた。

2017年は『ジョン・ウィック:チャプター2』を選出させて頂いた「THE RIVER AWARD ベスト宣伝賞」。熟考の末、たいへん僭越ながら2018年はジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2018年4月6日公開、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)を「ベスト宣伝賞」とさせて頂きたい。以下に、選出の理由を記そう。

THE RIVER AWARD 2018 ベスト宣伝賞『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は、1995年公開(日本は1996年)の故ロビン・ウィリアムズ主演作品のリブート作品だ。ボードゲーム内の様々な現象が現実世界に現れるというオリジナル作に対して、本作は現実世界の高校生4人がビデオゲームの中に入り込んでしまうという設定。アクション・コメディの色合いが濃く、作品自体も何でもアリの「ハチャメチャ」な世界観。これに合わせてか、本作宣伝も次第に「ジュマンジ」色に染まっていく──。

ジュマンジがマジジュマンジになるまで

2018年4月6日に公開を迎えた本作の日本公開が決定したのは、2017年8月末のこと。編集部に届いたプレスリリース(PR文書)の第一報見出しは、「2018年春日本公開決定!」「現実世界に帰るには、〈ゲームクリア〉しかない。」と、まだ落ち着いた様子だった。ただしその本文内には、「4 人はそれぞれのキャラクターの体=アバター となってゲームの中の世界に入り込んでしまったぁぁぁぁ。」「果たして彼らは、生きて現実世界に帰ることができるのか〜!」と、早くも抑えきれないテンションをギリギリで保っている様子も見られていた。

とは言え2017年中は、本作はまだ「数ある洋画作品のうちの一本」に過ぎない認識だっただろう。確かに90年代の名作をドウェイン・ジョンソン主演でリブートするという話題性はあったものの、製作費はおよそ9,000万ドルと、取り立てて大規模なものでもない。おまけに本国公開となる2017年12月といえば、超大作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』とバッティング。製作費が同規模の作品としては、ヒュー・ジャックマン主演の『グレイテスト・ショーマン』(8,400万ドル)も同日公開だった。

12月の米国公開を控えた11月、「これはもしかすると」との予感が生まれ始める。ハワイで開催されたメディア向け試写会から、大絶賛の声が続々と届いたのだ。これには日本の関係者も仰天。配給・宣伝から「絶賛の嵐が起きている様です!」と、海外メディアのレビュー原文をまとめたメールが届いた程だ。

おそらくこの頃、『ジュマンジ』宣伝はその方向性をはっきりと固めたのだろう。12月に入ると、新たな日本版予告編映像を公開。これを伝えるために届けられたプレスリリースは、もはや平常心を喪失。「ゲームの中の世界に入り込んでしまったぁぁぁ!」「現実世界の自分とは体格も性別までも違うキャラに入れ替わりぃぃぃ!」と、明らかに振り切っている。興奮が過ぎたのか、様々なスキルを有するゲーム内アバターの説明については、「華麗に飛んだり、怪力でぶっ飛ばしたり、とにかくものすっごいパワー」と語彙力を失う有様である。

ちょうど本国公開を迎えた12月20日には、「これが映画『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のポスターじゃぁぁ!!」との血圧高めな件名のメールも届けられ、同時に映画の世界観を楽しく再現した「TVゲーム機型ボックスティッシュ」を劇場前売券の特典として発表する。

前売り特典:TVゲーム機型ボックスティッシュ

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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