この記事には、「スター・ウォーズ：バッド・バッチ」シーズン2第11話『メタモルフォーゼ』のネタバレが含まれています。

「スター・ウォーズ：バッド・バッチ」シーズン2第11話『メタモルフォーゼ』は、宇宙を漂流する謎の船で、クローン・コマンドーが何かに捕らえられるシーンから始まる。その頃、タンティスという帝国の秘密研究所に同型の船が到着した。船は“資産”と呼ばれる何かを運ぶ輸送船のようだ。

同時に到着したシャトルから降り立った人物の名前は、ドクター・ヘムロック。彼はタンティスの施設に入ると、投獄されているカミーノ人科学者のナラ・セに対し、皇帝が主導するクローン研究に協力するよう説得しようとする。しかし、彼女は「帝国が我が文明を葬り去った」として頑なに応じようとしない。ヘムロックは助手に、カミーノ人の生き残りである元首相のラマ・スーをタンティスに連行すること、また輸送船墜落の一報を受け、直ちに“資産”を回収するよう指示する。

一方、イプシウム鉱山のある惑星から脱出を果たしたバッド・バッチは、シドから墜落船の情報を知らされ、積み荷を盗んでくるよう依頼を受けた。墜落地に到着した一行は、船内を探索しカミーノ製の機器でできたラボを発見する。

バッド・バッチは、船を墜落させた“張本人”である謎の爬虫類型生物に遭遇。応戦中に船体に穴を空けてしまい、謎の生物は近くの村へ向かってしまう。そこで一行は二手に分かれ、テクとオメガが船で情報を引き出す間、ハンターとレッカーがマローダーで怪物退治に向かうことにした。

テクは謎の生物が過去、コルサントを襲撃したジロ・ビーストという生物と同種であること、エネルギーをエサにして急成長を遂げる性質があることを突き止めるが、時すでに遅し。村の送電網からエネルギーを得て、ジロ・ビーストは巨大化していたのであった。

そこにドクター・ヘムロックが送り込んだ、帝国の回収チームが到着。ジロを無力化し捕獲する。さらには、目撃者となった住人たちも、根こそぎ連行されてしまう。マローダーも追撃されるが、ラボのデータを抜き出したテクとオメガを回収し、脱出に成功する。

得られたデータからは、ジロ・ビーストのクローン研究が共和国時代から密かに進められていたことが明らかとなった。ジロの遺伝物質を武器に転用することを目論んでいたのだ。ハンターはこの情報をレックスとエコーに届けるよう指示する。

一方、タンティスでは拘束されたラマ・スーが到着する。ヘムロックがどうしたらナラ・セを説得できるか聞くと、あるクローンの少女を捜し出すことがカギになると話すのであった……。

“いにしえの巨獣”の再来

残すところ5話となった今シーズン。一気にクライマックスに向けて物語が進んでいったが、本話一番のサプライズは何と言ってもジロ・ビーストの再登場であろう。「クローン・ウォーズ」シーズン2第18話で初登場したジロは、惑星マラステアに生息した生物である。

当時は絶滅したと考えられていたが、クローン大戦で使用されたエレクトロ＝プロトン爆弾が引き起こした大爆発によって、太古の眠りから目を覚ました。本話を観た後だと、爆弾のエネルギーを吸収して、冬眠のような状態にあった個体が急成長したという説明もできる。

目覚めたジロはライトセーバーすら弾く強固な体で、ダグ種族とクローン軍を蹴散らした。しかしアナキン・スカイウォーカーが、甲羅の間にある隙間にイオン砲を照射することで神経麻痺させる作戦を思いつき、昏睡状態にすることに成功する。何を隠そう、帝国が現在も使っているジロ対策はアナキンの発案であったのだ。

本話でテクが言及したように次の第19話で、ジロは研究のためコルサントに移送されるも、ラボを脱出する。ただ町を荒らして大暴れしているかに見えたが、実は研究のためジロを殺すことを命令したパルパティーン個人を攻撃しようとしていたのであった。

最終的に、マラステアの燃料を使用したガス爆弾を使い、仕留めることに成功。一件落着かと思いきや、パルパティーンが科学者にジロ・ビーストのクローンを作ることを依頼するところで、物語は終わっていた。その研究が続けられ、ついにジロのクローンを作るところまでこぎ着けていたことが本話で明かされた形だ。

さて、バッド・バッチ自身の物語も大きく動いていきそうな展開を見せた本話。シドとの決別を検討し、再びレックス、エコーと連携が期待される。一方で、ランパード亡き後の新たな敵となりそうなヘムロックからは、早速探りを入れられ始めている。バッド・バッチの運命やいかに……。

「スター・ウォーズ：バッド・バッチ」シーズン2はディズニープラスにて独占配信中。