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クリスチャン・ベール、スーパーヒーロー映画の再出演に前向き ─ バットマン役の決定当時は「笑われた」

クリスチャン・ベール
Photo by Harald Krichel https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Christian_Bale-7834.jpg Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『ソー:ラブ&サンダー』でヴィランの“神殺しのゴア”を演じ、恐るべき存在感を見せつけて賛辞を浴びているクリスチャン・ベール。スーパーヒーロー映画への出演は『ダークナイト』3部作以来となったが、今後このジャンルに再び出演することにも前向きな姿勢を示した。

The Washington Postにて、ベールは『バットマン ビギンズ』(2005)でバットマン/ブルース・ウェイン役を演じることが決まった当時のエピソードを振り返っている。3部作の監督を務めたのはクリストファー・ノーラン、往年の人気ヒーローを現代的かつシリアスに描き直そうというコンセプトだった。しかし、ベールの周囲にいる人々からはまったく理解を得られなかったという。

“バットマンをやるんだ、でもシリアスに演じる”という話をして、たくさんの人たちに笑われました。“えーっと、それは絶対失敗するでしょ”と。3部作に出演し、彼らの間違いを証明できたことはうれしかったですね。」

MCUの幕開けとなった『アイアンマン』は2008年の作品で、同年には第2作『ダークナイト』も公開された。同作の評価は非常に高かったものの、一方のMCUが高い評価を受けるまでにはしばらく時間がかかっている。ベールは「(『ダークナイト』3部作が)MCUに弾みをつけたかどうかはわからないけれど、確かに道中を助けたと思う」とコメント。バットマンを演じ終えてから、そのMCUに参戦するまではさらに10年の月日を要した。

ソー:ラブ&サンダー
©Marvel Studios 2022

バットマン役を演じる当初は周囲に笑われたベールだが、『ソー:ラブ&サンダー』でゴア役を演じることが報じられた際には「まさかここに出るとは、と驚かれました」という。「僕にとっては少しも驚くことじゃないんですが」。

出演のきっかけは、監督・脚本のタイカ・ワイティティが本作のヴィランとしてゴアを登場させることを決めた際、マーベル・スタジオ側に「演じられるのはクリスチャン・ベールしかいない」と訴えたこと。偶然にもベールは『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)『ジョジョ・ラビット』(2019)を観てタイカとの仕事に興味を抱いており、しかも彼の子どもたちがMCUへの参加を薦めたため、本作への出演を快諾することとなった。

 ソー:ラブ&サンダー
©Marvel Studios 2022

ゴア役を演じた現在も、ベールは再びスーパーヒーロー映画に出演することに前向きな姿勢を見せている。

(スーパーヒーロー映画に)“さようなら、ありがとう”とは言いません。みなさんの方から“さようなら、ありがとう。どうか二度と出ないでください”と言われたら受け入れますが、良い物語は良い物語だし、良い映画は良い映画。そして、良い監督は良い監督です。どんなアイデアにもオープンでいますよ。」

バットマン役でヒーロー、ゴア役でヴィランを演じたベールは、スーパーヒーロー映画に不可欠な役割をともに務めた、いまやハリウッドでも稀有な存在のひとり。実際に演じてみて、「この映画で悪役を演じるのは、クリス(・エムズワース)のヒーロー役よりもずっと簡単な仕事だと思った」と感想を述べている。「ヴィランには最初から誰もが興味を持ってくれる。けれどもヒーローは観客の興味を勝ち取らなくてはいけません」。

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Source: The Washington Post

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。