お蔵入りのDC映画『バットガール』、未完成のまま関係者試写を実施

お蔵入りが決定したDC映画『バットガール(原題)』の関係者試写が、米ワーナー・ブラザースの社内にて実施されていることがわかった。米Deadlineが報じている。
『バットガール』はゴッサム・シティのジェームズ・ゴードン警察長官の娘、バーバラ・ゴードン/バットガールを描く単独作品で、当初は米HBO Max配信作品として、その後は劇場公開が検討されていた。約9000万ドルを投じて製作が進行していたが、新企業ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフ新CEOらは、今後の戦略に適さないとしてお蔵入りを決定。現時点では今後いかなる形でもリリースされない見込みだ。
ただし報道によると、ワーナーは2022年8月24日(米国時間)から社内で関係者向けの試写を実施しているとのこと。これは製作に携わったキャスト&スタッフやエージェント、スタジオ幹部らを対象とするもので、週末にかけて複数回の上映が行われるものとみられる。
ただし監督のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーによると、本作は編集作業中にお蔵入りが決定しており、まだ追加撮影や大量のVFX作業を残していたとされる。音楽を担当していたナタリー・ホルトは約90分にもおよぶ作曲を終えていたことを明かしていたが、試写の映像にそれらが使用されているのか、また本編がどの程度まで完成していたのかは不明だ。いずれにせよ、未完成のままの試写をもって『バットガール』は幕引きとなる。
本作で主演を務めていたのは、『イン・ザ・ハイツ』(2021)のレスリー・グレース。ジェームズ・ゴードン役には『ジャスティス・リーグ』(2017)のJ・K・シモンズが続投していたほか、ティム・バートン版でバットマンを演じたマイケル・キートンも再登場する予定だった。ヴィランのファイヤーフライ役は、『ハムナプトラ』シリーズで知られるブレンダン・フレイザー。彼らは、また監督をはじめとするスタッフ陣は試写会場に姿を見せるのだろうか。
監督のアディルは、製作中止にあたり「僕たちや出演者の問題でも、ましてや映画のクオリティの問題でもない」との説明を受けたとのこと。お蔵入りは「(ワーナーの)戦略変更のため、経営陣の変更のため」だというが、大きなショックを受けたことを率直に語っていた。
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Source: Deadline